2023年3月23日(木)

医療神話の終焉―メンタルクリニックの現場から

2023年2月1日

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井原 裕 (いはら・ひろし)

獨協医科大学埼玉医療センターこころの診療科教授

1962年生まれ。東北大学医学部、自治医科大学大学院を経て、ケンブリッジ大学大学院修了。順天堂大学准教授を経て、現職。著書に『激励禁忌神話の終焉』(日本評論社)などがある。

 学校でのいじめ、それによる自殺が後を絶たない。医師として第一に必要なことは、診断でも、治療でもない。直ちに介入して、これ以上の被害を防ぐことである。

 

診断書1枚で学校は動く

 医師にはできることがある。いじめの可能性を察知したら、直ちに診断書を書いて、学校側に注意喚起することである。その際、いじめの確証は必要ない。そのおそれがあると思われたら、躊躇なくアラームを鳴らすべきである。

 筆者の場合、外来診察室で患者として訪れた児童・生徒において、いじめ被害の可能性がある場合は、その場で以下の文面の診断書を発行することにしている。

 この定型文は、外来診察室の電子カルテのなかに登録されている。診察のさなかに呼び出して、文面に多少のアレンジを加えて、その日のうちに診断書を作成する。

 なお、免責事項を記しておく。精神科医、小児科医の中で、この診断書文例を参考にする人がいると思う。どうぞ、ご活用いただきたい。ただし、当資料は、あくまでサンプルであり、実在する個人に直ちに適用できるものではない。

 したがって、当資料を利用する際は、利用者の責任で当該患者に合わせた変更をお願いする。この記事の筆者井原裕は、利用者が当資料の情報を用いて行う一切の行為について、何らの責任も負うものではない。当資料を利用して生じた損害につき、井原としては責任を負いかねるので、御了承いただきたい。


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