自らが住む地域の〝被害のずれ〟認識を
東日本大震災から12年、関東大震災から100年の今年、自然災害の被害の観点から地域別の比較をした。その結果、物的な被害の程度と人的被害、経済的被害の間には地域間で微妙なずれがあることが分かった。これは、各都道府県の地理的環境や人口分布、行政や住民の避難対策などによって被害状況が変わることを意味する。
それぞれの地域に住む人や企業が災害の予知の可能・不可能、災害の性質に合わせて、事前準備や事業継続計画を工夫すれば、人や社会の力で少しでも災害から生ずる被害を小さくできる。また、他の地域との連携を模索することも重要である。自らの地域の災害傾向と過去の被害実態を知ることがまず必要なのかもしれない。
(本稿の分析は過去のデータに基づく統計的な結果を紹介したものであり、今後の地域別の災害発生について予見したり、断定したりするものではありません。また筆者の所属する組織の見解でもありません)