2024年4月14日(日)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2023年8月3日

 ChatGPTに代表される生成AIのブームが続いている。

 OpenAIやグーグルなどの米企業がリードしているが、中国も負けてはいない。スタンフォード大学人間中心AI研究所(HAI)の報告書「2022 AI Index Report」によると、AI関連の論文数では中国が全体の31.04%とトップ。欧州連合(EU)・英国の19.05%、米国の13.67%を引き離している。AIの研究力や人材面では世界屈指の実力を持っていることは間違いない。

 ChatGPTのローンチが昨年11月末のこと。半年あまりが過ぎた今、中国では「百模大戦」(百の大規模言語モデルの戦争)と呼ばれる混戦が続いている。中国ウェブメディア「智谷趨勢」によると、10億以上のパラメータを持つ大規模言語モデルはすでに79も発表されている。

大手が進める〝中国型〟の実装

 資金力でリードしているのが大手IT企業だ。今年3月に生成AIチャット「アーニーボット」を公開したのが検索大手のバイドゥ(百度)。

 公開直後は「ChatGPTと比べると能力がイマイチ」と酷評され株価が下がる一幕もあったが、今年6月に新華社研究院中国企業発展研究センターが発表した報告書「AI大規模言語モデル体験報告」では、300問のテストを解かせた結果、ChatGPT3.5とほぼ同水準で中国のAIではトップの評価を得た。今後、バイドゥが擁するすべてのサービスに生成AIを組み込んでいく方針だという。

アーニーボットで生成した画像。プロンプトは「百貨店で化粧品を購入する女性。写真風、夕方」(筆者提供、以下同)

 バイドゥに次ぐ評価を得たのがEC(電子商取引)大手のアリババグループだ。第1弾としてビジネスチャットアプリのディントークと、スマートスピーカーのTモールジニーへの搭載を発表した。

 ディントークでは、企画書の自動作成、ビデオ会議の文字起こし、ビデオ会議の討論要約などの機能が搭載される。TモールジニーはAIを使うことでさまざまな話題に対して柔軟な対話ができるようになる。

 中国では一人暮らしの親に話相手になるようスマートスピーカーを送るのが流行した。筆者もその一人だが、つまらない応答しかできないとほとんど使われなかった。デモを見た限りでは各段に能力が向上しているだけに、期待は大きい。


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