さらに日本は、太陽光パネルも、リチウム電池も負けている。デジタル貿易でも赤字が拡大しているのでデジタルでも補助金という話になっているようだ。
負けたら補助金は正しくない
最先端らしいところで負けると、すぐさま、補助金を投入して生産という話になるのだが、それは正しい政策だろうか。結局のところ、日本の産業政策は全方位型・敗者復活型補助金政策になっていないだろうか。
そもそも、国も個人も自分の得意分野で勝負すべきだ。不得意なところで頑張っても、うまくいないし、頑張っている人も楽しくない。もちろん、大谷翔平選手のように、得意な野球に集中して、不得手なお金の管理を水原一平氏に任せきっていたのはまずい。
最低限、自分でしなければならない仕事はあるだろうが、なんでも自分でやろうとすれば得意なことができなくなる。日本は半導体では負けているが、半導体製造装置では、東京エレクトロン、アドバンテストなどが存在感を高めている。
なぜそうなっているのかは難しいが、半導体生産には比較優位がなく、半導体を生産する機械の生産では比較優位があるのだろう。
他にも日本の比較優位があることは多々ある。ドラマや映画には比較優位は大きくないと思うが、漫画やアニメにはまだまだ力がある。
米国のホテル代はとんでもなく高いが、そこの朝食では提供されたオムレツはふわふわではなかった。だが、2万円以上する日本のホテルのオムレツは、ほぼ確実にふわふわだ。かなり前の話になるが、中国のホテルでもオムレツはふわふわではなかった。
日本のイタリア料理店というより「イタ飯屋」というところでもパスタはアルデンテでソースによく絡まって提供される。ピザの味も格段に上がった。どこに行っても本場イタリア並みのイタリア料理が出てくる。外国人観光客が押し寄せるのも良く分かる。
観光業やアニメ、レストランの質ばかりが高くても、いざ戦争になったら役には立たないと言われるかもしれない。製造業基盤が戦力の基礎になるのは確かだ。