Taipei Timesの10月19日付け社説‘Drill fueling support for Taiwan’が、頼清徳総統の双十節(中華民国の建国記念日)の演説を引用して、台湾は中国共産党に隷属したことはないと主張するとともに、中国による台湾周辺での軍事演習が民主主義の同志国の台湾への支持を強めている、と指摘している。要旨は次の通り。
台湾の頼清徳総統が双十節の演説で「中華民国と中華人民共和国は互いに従属しない」と繰り返した4日後、中国は台湾を包囲する軍事演習「連合利剣2024B」を実施、これは「台湾独立勢力の分離主義行為に対する厳しい警告」だと主張した。
頼総統は演説で、「中華民国は113年前に、平等と博愛の自由で民主的な国家の樹立を願い、帝国政権を打倒するために立ち上がった人々によって建国された」という歴史的事実に触れ、75年の歴史の中華人民共和国が民主的な中華民国の「祖国」であるはずがないという事実を強調した。
中華民国政府は、国民党軍が人民解放軍に敗北した後、1949年に台湾に退却したが、頼総統は演説で、台湾侵略を企てていた中華人民共和国を中華民国が打ち負かした、75年前の「古寧頭戦役」と66年前の8月23日の砲撃戦を忘れないよう、台湾人に呼びかけた。
これらの戦闘は、国共内戦において人民解放軍が台湾を支配できなかったこと、中国が台湾を支配したことは1日たりともなかったことを明確に示している。頼総統は「中国には台湾を代表する権利はない」と述べた。
中国の国務院台湾事務弁公室は5日後に声明を発表し、頼総統の発言は「二国」の主張だと主張したが、頼総統が強調した歴史的事実は否定しなかった。
2022年にナンシー・ペロシ米下院議長(当時)が台湾を訪問して以来、中国は少なくとも4回、台湾周辺で大規模な軍事演習を実施した。台湾民意基金会が発表したレポートによると、今年の台湾人の対中嫌悪・無関心は過去最高の90%強、統一反対は77%で、16年の調査から23ポイント上昇した。