2025年3月17日(月)

Wedge REPORT

2025年2月13日

 現在は代替食を持ってくる児童生徒が非常に多いため、学校では朝からてんやわんやである。そうでなくとも給食時間中はトラブルが起こりやすい時間であるから休憩どころか教員は神経がすり減る。コロナ禍では全員が黙食となったからトラブルも減り、少しホッとした教員も多かったのではあるまいか。

 タイムリーなことに、この2月6日に国会の予算委員会でれいわ新選組の山川ひとし議員が「教員にとって給食の時間は授業なのか休み時間なのかどちらなのか」と質問している。これに対し、阿部俊子文部科学大臣は「給食の指導の時間は重要な学校教育活動だが、先生方の負担も大変大きくなっているため、各学校に栄養教諭を配置して体制の強化をしっかりとしている」という、あまりにも現場の実情とかけ離れた答弁をしている。

 現状では栄養教諭は複数校に1人の配置が精一杯で配置している学校は希である。学校ではなく給食センターに所属する場合も多い。そもそも栄養教諭の仕事は給食指導や配膳の手伝いではない。国は学校の実情などまったく知らないと言うことがよく分かる答弁である。

今の給食制度では、食品ロスは必ず起こる

 残飯処理についても多くの問題がある。筆者が初めて校長となって赴任した学校は、すぐ隣が給食センターであった。赴任して間もない頃、学校にどこからともなく悪臭が漂ってきて問題となった。原因を探っていったところ、なんと悪臭の源は給食センターの残飯処理槽からであった。

 事情を聞いてみると、あまりにも残飯が多すぎて処理槽に負担がかかりすぎて機械の調子が悪くなってしまったらしい。その後処理槽を大きくするなど改善して臭いは収まったが、学校は給食センターから残飯が多すぎるのでなんとか減らしてほしいと逆に要請を受けてしまった。

 一昔前なら「好き嫌いしないで残さず食べよう」と言って指導もできたろうが、今の時代は無理矢理食べさせることなどできない。正直言って学校給食摂取基準に基づく日本の画一的な給食制度では食品ロスを減らすことは難しいだろう。

 なぜなら給食を残す理由は、嗜好・喫食時間・量の個人差だからだ。もっと言えば夏は牛乳は残らないが、冬場は大量に残る。季節だって影響しているのだ。


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