2026年も揺れる各国との関係
26年はどうなるだろうか。インドにとって気になるのは、アメリカ、ロシア、中国の情勢が動くかどうか、である。
まず、ロシア・ウクライナが停戦するかは、インドの強い関心事である。ロシアがウクライナに侵略を開始して以降、インドにとって、ロシアとの関係は重みになってきた。
過去、ソ連時代も含め、インドはロシアと長期安定的な友好関係を築いてきた。第3次印パ戦争などで、ソ連に支援してもらった経緯もある。だから、ロシアのウクライナ侵略に際し、インドは、中立ながらも、ロシアから原油を買うなどして、一定の配慮をし続けた。それはインドからすると、「恩返し」の意味合いがあったのである。
しかし、そのせいでアメリカとの関係は明らかに打撃を受けた。バイデン政権時代も、すでに米印関係は緊張していた。トランプ政権がその雰囲気を変えるかと期待したが、結局は、関税上乗せにつながった。
つまり、インドは、ロシアのウクライナ侵略に、巻き込まれてきたのである。だから、この問題が解決したらいい。インドは強くそう願っている。
インドにとって気になるもう一つのイベントは、アメリカの中間選挙である。トランプ政権は中間選挙で勝つために、様々な手段を採用するだろう。特に経済、物価などの対策に力を入れるはずだ。
インドにとって、アメリカは第一の貿易相手国だった。トランプ政権がインドとの経済を活性化する方が選挙にいい影響が出ると判断するようなことはないのか。それで関税交渉もうまくいけばいいと期待している。
インドにとって忘れられないのが印中国境そして印パ国境の情勢だ。印中国境情勢は、長期的には、悪化することが見込まれる。だから、インドとしては、それが26年に起きたらどうするか、懸念せざるをえない。
しかも、過去、印中国境でインド側とトラブルを起こした指揮官が、そのあと、出世し、台湾情勢などを担当する部署についた例がある。もし27年以降、中国が台湾侵攻を念頭に置いているならば、その前に、印中国境でインドに対して限定的な軍事作戦を実施し、台湾に対して行おうとしている戦法を試すかもしれない。
そして、中国が支援するパキスタンも、問題だ。25年にインドは多数の武器を使った。ロシア製の武器は、ロシアが部品や弾薬を十分提供していないから、インドは、武器不足になるかもしれない。26年に、もしパキスタンが支援するテロが起き、印パ軍事衝突のような事態になったら、その時、インドは、どの武器を使って戦うのか。
国産を進めてはいるものの、インドはまだまだ外国に依存している。武器に必要な半導体も自分ではつくれない。ロシア以外の選択肢として、フランス、イスラエルだけではなく、やはりアメリカとの関係強化は必要になる可能性が出ている。
