2026年1月10日(土)

インドから見た世界のリアル

2026年1月9日

 最近、アメリカは、中央アジアからのレアアースの供給を重視し、その足掛かりになりえるパキスタンに着目し始めているのかもしれない。印パが衝突したら、アメリカはインドに武器を売るだろうか。もし26年にそのような事態になれば、改めて、米印関係は試されることになる。

日本にとっての意味

 インドが不安を抱える情勢は、日本にとって、どのような意味を持つのだろうか。まず、インドが大国として台頭していることは、疑いの余地はない。また、インドが中国を信用していないことは、日本の中国対策上、インドの重要性を示している。そして、アメリカとの関係が不安定であることは、アメリカともインドとも安定した関係を築いている国が、米印間に立つ重要性を示している。そのような国があるとすれば、それは日本だ。

 こうして考えると、インドは、日本の外交上、日本にとって有利な要素が多い相手である。だから、日本とインドの関係を一つひとつ積み上げ、長期安定的に関係を強化していくことが求められる。

 インドが直面している情勢から、日本とインドは、いろいろな面で協力する余地があろう。印中国境におけるインフラ建設では、道路やトンネル、空港だけでなく、ダム建設なども候補になる。武器の協力では、すでに無人車両の共同研究や、海軍艦艇用アンテナ「ユニコーン」の共同開発・生産が進んでいるが、無人機(ドローン)の共同開発や、潜水艦技術協力、中古輸送ヘリの輸出なども候補になる。

 インドはジェネリック医薬品のように、同じ性能のものをより安く作る技術に長けている。武器の質だけでなく量も求められる昨今の状況では、コストを下げて量を確保するための協力を模索することは、適切だと思われる。

 インドが半導体の国内生産を求めていることは、日印協力に貢献するはずだ。半導体の生産はできなくても、半導体を開発している世界各国の人材には、インド出身者も多い。この状況をどう利用するか、カギになろう。

 25年は激動の年だった。インドにとっても、日本にとってもそうだった。でもそれは、ますます、日印関係を強化することの重要性を示唆するものである。

 かつて安倍晋三元首相がインド国会で述べたように、「強いインドは日本の利益であり、強い日本はインドの利益である」という言葉は、今、26年に、意識すべき言葉である。

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