2026年5月28日(木)

Wedge REPORT

2026年5月28日

半導体主導の株価上昇

 日経平均株価は2025年10月に5万円を超えると、26年4月27日に終値で初めて6万円の大台を超えた。3月以降、イラン情勢の悪化に伴い原油価格が急騰し、日本経済を圧迫しているにもかかわらず、株式市場はそうした苦境を露とも知らないようにみえる。エネルギーを輸入に頼る日本にとって原油価格上昇は打撃であるほか、ナフサなど石油関連製品の供給制約は経済に大きな下押し影響をもたらす。

 それでも株価が上昇したのは、企業業績の見通しが上向いたからだ。では、なぜ原油高にもかかわらず、企業業績に対する期待は改善したのであろうか。

 答えは非常にシンプルである。それはAI関連の実物投資が予想以上に大きく、半導体需要が上向いたからである。

 半導体の需要発生元はハイパースケーラーなどと呼ばれる米国の巨大IT企業(主としてグーグル、マイクロソフト、メタ、アマゾン)である。彼らのAI関連投資は、主にデータセンターであり、そこには大量の半導体が必要となる。

 日本は半導体を直接製造する企業は一部に限られるものの、半導体の製造において必要不可欠な装置、部材、化学品などで高シェアを握る企業が多数存在する。それらは電子部品メーカーに限らず、非鉄金属(電線、銅箔、高純度金属、スパッタリングターゲットなど)、ガラス・土石製品(ガラスクロス、セラミックなど)、機械(半導体製造装置)、化学(ガス・封止材)など多業種にまたがる。

 こうした広義半導体関連企業は、日経平均株価のウェイト上位10社程度でみても、今や半数を占めるに至っており、そこだけで3割程度のウェイトを有する。それら企業の業績見通しは年初来、垂直的に上方修正されており、これが株高の原動力となっている。

 日本の基幹産業といえば、依然として多くの雇用者を支える自動車産業であるが、株価指数においては半導体関連企業が主役となっている。株価指数に採用されている225社のうち半導体事業がコアになりつつある企業は、概算で4割程度あるとみられる。

 上述したように半導体産業は、自動車産業あるいは生活に身近な小売、外食などと比べて雇用者数が少ないほか、生活に身近でないことから、その隆盛が伝わりにくい。筆者の友人・知人に、半導体関連企業に勤める人はごく少数に限られる。


新着記事

»もっと見る