社会不満とサッカーへの情熱が混在
メキシコにとって2026年W杯は、単なるサッカー大会ではない。世界に向けて自国をアピールする場であり、観光や経済の起爆剤であり、同時に社会課題を映し出す鏡でもある。
教師たちのデモ、物価高への不満、治安や住宅問題――。確かに課題は少なくない。しかし、それらの問題を抱えながらも世界最大の祭典を迎えようとする姿には、この国の持つ強さと活力が感じられる。
開幕を目前に控えたメキシコシティでは、抗議デモのプラカードを掲げる人々の横を、代表ユニフォームを着た子どもたちが走り回っている。社会への不満とサッカーへの情熱が同じ空間に存在する光景は、いまのメキシコそのものと言えるだろう。
そして、その複雑な現実を抱えながらも、世界中の視線を受け止める準備は整いつつある。70年にペレを、86年にマラドーナを迎えたサッカーの国は、26年夏、新たな歴史の舞台となる。
課題を抱えながらも前を向く開催国メキシコは、世界最大の祭典を通じて自らの現在地を示そうとしている。その先にあるのは、単なる成功した大会ではなく、国としての新たな一歩なのかもしれない。
