World Energy Watch

2015年10月15日

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輸送部門と地球温暖化

 地球温暖化を引き起こすのは、地表で反射され波長が変化した太陽光を吸収する温室効果ガスと言われるメタン、フロン類、水蒸気、CO2などだが、圧倒的に量が多いのは、石油、石炭などの燃焼に伴い発生するCO2だ。

 温暖化問題に対処するためCO2の発生を抑制する様々な試みが行われている。発電部門での再生可能エネルギー、原子力の利用、産業、業務部門での省エネなどだが、輸送部門でも自動車から鉄道利用への変更、電気、ハイブリット、水素自動車の利用、植物由来でCO2を排出しないバイオ燃料の利用などが実用化されている。

 しかし、どこででも入手可能なガソリン、ディーゼルを利用する車に価格競争力があり、電気自動車などの普及はこれからの課題になっている地域が圧倒的に多い。バイオ燃料も製造時のCO2排出、食物との競合の問題があり、普及は簡単ではない。

 自動車を主体とする輸送部門は、先進国では温室効果ガス排出量の5分の1から4分の1程度を占めている。EUの部門別温室効果ガスの排出量は図-1の通りであり、輸送部門は全体の24%を占めている。輸送部門のうち自動車は72%を占める。

 EUでは、東欧諸国の市場経済への移行が始まった1990年からエネルギー効率の改善が進み、温室効果ガスが削減された。東欧諸国の効率の悪い設備の更新が行われたためだ。90年の温室効果ガス排出量56億3000万トンは、12年には45億4000万トンまで19%減少するが、輸送部門からの排出量は07年にピークを打ったものの、12年には90年比14%増加している。図-2の通りだ。

【図2】 EUの温室効果ガス排出量推移
(出所)欧州環境庁
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 欧州委員会と欧州議会は、輸送部門での温室効果ガス削減策として自動車からのCO2排出量に関し、規制値を導入する。

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