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2016年1月14日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

シェア20%は射程内

 新車の開発で日産、ホンダは、数年前から開発部隊を中国に置き、ユーザーの嗜好、テイストに合ったデザインの車の開発に乗り出している。前出の呉氏は、日系ブランドがシェアを伸ばすためのポイントを3点挙げる。①一つのモデルで20万台売れるヒット車、②小型車にターボを付けることで中型車並みの走りを実現するVWがしているようなターボ対策、③日本メーカーが得意とするHVの認知度の向上。ターボ対策は既に行っているところもあるが、日系ブランドはこの機能を搭載した車の投入を今年から増やす計画だ。

 また、電気自動車(EV)には国と地方から補助金が出ている。中国政府が大都市を中心に環境対策の面から普及させようとしており、今後伸びる可能性がある。日系自動車、部品メーカーは、08年のリーマンショックによる販売の落ち込み、11年の東日本大震災によるサプライチェーンの途絶、12年の尖閣問題による日系ブランドバッシングなどの厳しい試練を乗り越えてきた。そのせいもあって、「多少の生産の変動はあっても耐えられる競争力が付いてきている」と関係者は自信を持っている。尖閣問題が起きる前の年ごろの日系ブランドは、ドイツを上回り19%程度のシェアがあったが、12年に大きく販売を落とした。15年は15.9%(マークラインズ調べ)と上昇基調にあり、20%のシェアは十分射程距離にある。

  
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