2024年11月22日(金)

ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2016年8月4日

 ここのポイントは、計画をどう立てるかではありません。「気分が良い」という体験をいかに数多くできるかです。計画を立てることと「快」を結び付けてしまうのです。人間は「不快」から「快」に向かう生き物ですから、計画を立てることが快感と結びつけば、あとは自動的に繰り返すようになります。

計画の力は大人より子どもの方が身につきやすい

 ではなぜ多くの人が「計画」を立てることにネガティブな感情を持っているのでしょう。苦手だ、いやだ、辛い、自分には必要ない、そりゃ立てた方がいいことは分かるけどさ・・・、とここに挙げた心の声は、全て私自身の声だったりします。ある程度の年齢になってしまうと、計画を立てるのって嫌なんですよね。本当に苦手なものです。それが普通。だって、「ある程度の年齢」になるまで立ててこなかったから。もしくは大人に無理やり立てさせられて、嫌な思いをしたから。

 つまり私たちは、「計画を立てない」ことを習慣にしてきたのです。また、私たちは「計画を立てることは辛いことだ」という感情を刷り込まれてきたのです。「計画を立てない」力を養ってきたのです。

 その状態から計画を立てる人に脱皮するのは大変です。内なる抵抗がものすごい。頭では必要だと分かっているけれど、体がいうことを聞かない感覚です。これ、私だけではないと思うのですがいかがでしょうか。

 さて、そろそろ気づいていただけたかなと思うのですが、子どもならその内なる抵抗がないのです。お子さんが小さければ小さいほど、まだ何の習慣もついていないのです。計画を立てることが不快だという記憶もないのです。最初から、「計画を立てるといいことがある」「スケジューリングは面白い」という感情の記憶を数多く植えこんで、子ども自身が計画を立てたくなるように育ててあげることが可能です。

 子どもが自分自身にとって価値あることのために時間を使えるように、親が導いてあげる。すると子どもはどんどん自由になっていきます。小学生の時点から、建設的に自立していきます。子どもがスケジューリングの力を持ってくれれば、親は子どもの物理的な管理から解放されます。計画を立てる段階と、途中確認だけ手伝ってあげれば大丈夫になります。最後は計画立案段階すら子どもに任せて、ただ成長する様子をポジティブに見守り楽しんでいればよくなります。子どもに対するうしろめたさなしに、仕事をバリバリこなせるようになります。子どものスケジューリング力を育てることは、親にとっての積極的なワークライフバランスにもなるのです。

 ご自身がビジネスライフで取り組んでいるスケジューリングの経験値を、ぜひお子さんにも渡してあげましょう。

 とはいえ、ビジネス用語をそのまま伝えたのでは、さすがに子どもにはちんぷんかんぷんですね。やはり子どもに合わせた工夫は必要です。その点も考慮して、幼少期から段階を追ってスケジューリング力を育てていけるよう、徹底的に具体的なお話を進めていこうと考えています。

 次回はその第一歩、「スケジューリング力を育む親の5つの素養」をお話ししたいと思います。



  
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