唐鎌大輔の経済情勢を読む視点
国内政治や国際情勢、さまざまな要因で変化を続ける経済情勢。表出される数字や指標をどう見て、どう動けばいいのか。読み解く視点を新進気鋭のエコノミストが提示する。
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2025/10/15 唐鎌大輔高市トレードと称されるリフレ政策への期待を映じた地合いは続いている。目先で注目される論点は「10月利上げの可能性に与える影響をどう評価すべきか」である。結論から言えば、10月に利上げする可能性は逆に高まったように思える。
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2025/09/17 唐鎌大輔石破首相の辞任表明を受けて以降、日経平均株価指数は断続的に最高値をつけている。「拡張財政路線に伴うインフレ継続、それと整合的な円安・株高」への期待は明らかに根強い。それは日本経済にプラスなのか。
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2025/07/15 唐鎌大輔参院選は与党が過半数を確保できるか、注目されている。国民生活が困窮すると、政府・与党、外国人、高所得者層などが敵視されやすく、政治的には極端な政治主張が支持を得やすくなる。その結果、緩和的な財政政策や金融政策が謳われる懸念が出てくる。
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2025/04/18 唐鎌大輔トランプ政権を為替市場の観点から見ると、米国の慢性的な貿易赤字と製造業の衰退の主因を「ドルの過剰評価」にあると指摘している。提案されている枠組みがプラザ合意の再来とも言われる「マールアラーゴ合意」である。しかし、現実的には不可能だろう。
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2025/01/08 唐鎌大輔米国のトランプ次期大統領がSNSにおいて、BRICS諸国が共通通貨を創設することに強いけん制のコメントをした。現時点でほとんど実現可能性が感じられないBRICS共通通貨だが、就任前にわざわざ言葉を発したことで、逆にリアリティも感じる。現状…
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2024/11/14 唐鎌大輔金融市場ではトランプトレードという名で財政・金融政策が拡張方向で織り込まれており、米国の物価・金利情勢は上振れするとの見通しが強まっている。一部では160円台復帰を見越す声まで見られ始めている。果たして、この状況をどう読むべきなのだろうか。
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2024/09/26 唐鎌大輔自民党総裁選においては各候補からは経済政策について様々な言動が見られているが、新総裁には「円安か金利上昇の二者択一」を迫られる。今までよりも制限された経済政策の手札で執政が求められる。過度な金融政策の転換は混乱を招く。
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2024/08/09 唐鎌大輔日銀の利上げを契機として金融市場は歴史に残る大荒れの様相を呈した。これに対し、「円キャリー取引を背景とする円安バブルが崩壊した」という解説が支配的になっているようだが、筆者は小さくない違和感を覚える。
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2024/07/12 唐鎌大輔7月に入り、日経平均株価指数が連日史上最高値を更新している。史上初の4万円台到達などに沸いた2月末から3月初旬とは異なり、今回は「正真正銘のバブル超え」というフレーズがそこかしこに見られている。本当にそうなのか?
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2024/06/11 唐鎌大輔円安抑止の処方箋は外国企業による対内直接投資促進だと強調してきた。TSMCの熊本工場建設で地域経済に好循環が生まれている。ただ、政策には功罪が必ず付き纏う。対内直接投資を主軸に成長をけん引してきたアイルランドから「負の側面」を議論してみた…
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2024/05/10 唐鎌大輔日本経済は円安を所与の条件としつつ、その有効利用策を検討する段階に入っている。今回は新たな視点として、レパトリ減税とNISA国内投資枠を提示したい。いずれの政策も耳目を引く可能性が大きく、実態経済やビジネスにも影響し得る。
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2024/04/11 唐鎌大輔デジタル赤字についてはこの1年で取りざたするメディアやアナリストが非常に急に増えた。しかし、その国際比較については統計上の扱いが非常に煩雑で厄介なこともあり、まだ進んでいない。今回は簡単にその論点を深掘りしてみたいと思う。
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2024/02/27 唐鎌大輔日経平均株価が1989年末につけた最高値(3万8915円)を約34年ぶりに更新した。「そのドライバーは何か」と聞かれれば「インフレの賜物」と言える。円安になるのも、株や不動産、外車や高級時計が高くなるのも、インフレ圧力の高まりと整合的な現…
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2024/02/14 唐鎌大輔春闘に差し掛かろうとしており、「賃上げ」が例年以上に注目を集める。これは、日本で長く続いていたデフレからインフレへの転換へも影響する。ただ、単純に賃上げとなれば、〝良い循環〟という訳ではなさそうだ。そこには人手不足という状況がある。
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2024/01/22 唐鎌大輔年初から円安・株高がを見せており、新NISAによる影響という論調が目立っている。実際のところ、新NISAによる家計行動の変化は円安には直接的な影響がある一方、日本株上昇には間接的な影響があると言えそうである。
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「貿易赤字国として迎える米利下げ」は果たして円高をもたらすのか
2024/01/01 唐鎌大輔円安が続いた23年から24年のドル/円相場見通しへ注目が集まるが、ほとんどの市場参加者は「FRBは利下げ、日銀は利上げが注目される年」とするだろう。本コラムでは日本経済の構造問題に切り込むために需給構造の変化に焦点を当てた上で議論を展開し…
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2023/11/16 唐鎌大輔23年度上期の国際収支統計で、経常収支が過去最大の黒字であることが取りざたされ、「円高へ戻る」という声もあるが、キャッシュフローベースでは赤字で、円が流出しているといえる。この状況は政府が掲げる「資産運用立国」で加速する可能性もある。
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2023/09/28 唐鎌大輔執拗な円安が続いている。主要通貨の対ドル変化率を見ると、下落幅が大きい通貨はアルゼンチンペソ、トルコリラ、ロシアルーブルだけ。日米の金利差によるところも大きいが、そもそも円を支える基盤が脆くなっている可能性を真摯に考えたいところである。
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突破口として期待される知財優遇税制
2023/07/18 唐鎌大輔今回の「骨太の方針」で対内直接投資促進の期限と水準の目標が設定されたことは、円安地合いが定着している状況から注目される論点だ。日本の対内直接投資を取り巻く環境を改めて整理し、その展望に触れてみたい。
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2023/06/14 唐鎌大輔「骨太の方針」の原案で、「2000兆円の家計金融資産を開放し、持続的成長に貢献する『資産運用立国』を実現することが掲げられた。しかし、ここには功罪があることを慎重に吟味する必要がある。為替と金利の2つの懸念がある。
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