ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)、キリスト教社会同盟(CSU)、社会民主党(SPD)の3党間で行われていた連立交渉が、7日妥結した。昨年9月の総選挙以来、実に4か月半にわたる長丁場の交渉だった。
途中、当初の目論見であったジャマイカ連立(CDU/CSU、緑の党、自由民主党による三党連立。党のシンボルカラーがジャマイカ国旗と同じであることからこう言われる)が頓挫し、CDUとSPDによる二大政党の連立交渉に舞台が移り、結局、これまでの大連立がまた繰り返されることになった。実にメルケル政権になってから3回目の大連立である。
大連立成立の最終決定は3月4日
大連立に関し、ブラント元首相は「性的倒錯者の異常行為」と評した。艶福家ブラントの面目躍如といったところだが、それほど大連立は「アブノーマル」である。右と左の本来相容れない立場の二大政党が、それ以外成立の見込みがないという例外的な状況で、止むを得ず圧倒的多数の連立を形成する。民主主義の王道からすれば、本来あってはならない選択にちがいない。その大連立が4か月半の政治空白の後ふたたび実現することになった。
但し、今回の合意は未だ仮である。SPDが党員投票にかけ全党員の意向を確認してからでなければ最終回答はできないとしているためだ。党員は46万人余り。これから3週間かけて投票が実施され、最終的結論は3月4日に下される。
党内には大連立反対の若手党員が相当数いて予断は許さないものの、直近の世論調査によればSPD党員の6割が合意支持という。従って、今のところ大連立政権が発足する可能性は高い。