2024年2月27日(火)

【中学受験】成功を導く父親の役割

2019年7月16日

「今まで何をやっていたんだ!」
成績低迷を母親のせいにする「パワハラ父さん」

 小学生が挑む中学受験は、子どもがまだ幼いため、親のサポートが必要になります。今の時代は共働き家庭が増えていますが、それでも多くの家庭ではお母さんがそのサポートを担っているのではないでしょうか。

 中学受験に関する本や情報はいろいろあるけれど、よその子のようにはうまくいかない。どうしたらいいのだろう? そんな悩みやモヤモヤを抱きながらも、なんとか親子で必死に頑張っている。でも、子どもの成績はなかなか上がらない・・・・・・。

 そんなときに、突然家庭内に嫌な空気を運んでくるのが、夏休みのお父さんです。日頃は仕事で忙しく、たいして子どもの成績も気にしていないくせに、ある日、子どもの成績を見て激怒。その怒りを「あいつの成績が上がらないのはお前のせいだ。普段何をやっているんだ!」とお母さんに向けてくるのです。実は、こういうパワハラ父さんは結構存在します。

 家庭内がこういう状況にあると、子どもの成績は伸びにくくなります。なぜなら、子どもは親が夫婦喧嘩をしていたり、父親が母親に暴言を吐いていたりすると、気持ちが不安定になり勉強に集中できなくなるからです。また、自分のせいでお母さんが怒られていると思うと、「僕が勉強できないから・・・」と自己肯定感が下がっていきます。すると、子どもの元気がなくなり、頑張ろうという気持ちになりにくくなってしまうのです。

「10日くらい平気だろ?」
家族を振り回す「ハワイ父さん」

 威圧的なお父さんがいる一方で、自由過ぎるお父さんもいます。こちらは受験親全体で見ればレアケースですが、“受験の天王山”と言われる6年生の大事な夏休みに、自分が遊びたいがために、「10日くらい平気だろ?」と恒例のハワイ旅行を決行してしまうお父さんです。

 旅行に行くことが悪いことだとは言いません。行くことによって、子どもがリフレッシュできるのなら、それもいいでしょう。ところが、そういうお父さんに限って、塾の教材だけはいっぱい持たせようとするのです。そして、飛行機の中で勉強をさせたりする。

 けれども、そんな場所では落ち着いて勉強ができないし、子どもからしてみれば「まわりの友達はみんな夏期講習に行っているのに、僕は大丈夫なのだろうか……。こんなことなら、塾で勉強がしたかったよ」という気持ちになるでしょう。中途半端に遊びと勉強を強制させると、子どもにとってはかえってストレスになるのです。

 このように、夏休みにお父さんが介入することによって、受験勉強がうまくいかなくなってしまうケースがあります。

 ならば、お父さんは関わらないほうがいい?

 もちろん、そんなことはありません。大いに関わってあげてください。でも、夏休みだからといって急に力を入れるのはあまりおすすめしません。

 おすすめのスタンスは“労う”です。

 「毎日、頑張っているなぁ~。お父さん、感心するよ」「へぇ~、こんな難しいことをやっているんだなぁ~」と、お子さんの頑張りを認め、労ってあげてください。それだけで、子どもは嬉しい気持ちになります。

 そして、もし困っていたら「一緒に考えてみようか」と声をかけてあげてください。そのときに、上から目線で教えるのではなく、小学生の子どもの気持ちをくみ取りながら、一緒に考えてあげ、子ども自身の力で乗り越えていけるように促してあげてください。

 お父さんからすれば、「こんな問題簡単じゃないか」と思うものもあるかもしれません。でも、そんなときに“お父さん自慢”をするのではなく、「へぇ~、こんな難しい問題を解くんだなぁ~。たいしたもんだな」と子どもの前でピエロを演じてあげられたり、「そんな方法で解けるんだぁ、すごいね!」とほめてあげられたりするお父さんのほうがきっとうまくいきます。

 また、夏休み中は冷房の効いた塾の教室で勉強をずっとしているので、体がなまります。運動不足でこの時期から太りだす子がいます。また、ストレスでお菓子を食べ過ぎてしまう子もいます。そうならないために、毎日少しでも体を動かすようにしましょう。その相手役にお父さんがぴったりだと思います。一緒にランニングをしたり、キャッチボールをしたりしながら、おしゃべりを楽しみ、気分転換をさせてあげる。そうやって子どもを気持ちよい気分にさせてあげるのです。

 夏休みのお父さんの役割は、“子どもの気持ちを乗せてあげること”。家庭内に笑顔があれば、“受験の天王山”もきっと乗り越えていけるでしょう。

(構成・石渡真由美)

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。


新着記事

»もっと見る