2024年6月18日(火)

WEDGE REPORT

2020年5月19日

なんと言われようと、なんと見られようとも構わない
自国の利益を確保するという気迫

 自国が原因となった新型コロナ問題で世界が苦悩する間でも、米国や国際社会の隙をつきながら、自国の利益と影響力の拡大に余念がない中国。そのやり方も、一般国民にもすぐ理解できる派手なパフォーマンスと、地味だが実質的な意味を持つ玄人向けの仕掛けを組み合わせるという、目的合理性を徹底的に追求した洗練されたものだ。

 なんと言われようと、なんと見られようとも構わない、どんな時でもどんな状況でもどんなやり方でも、自国の利益を確保するという気迫。そして相対優位さえ獲得できればいいのだ、何が悪い、と言わんばかりの、ある種の開き直りのようなものすら感じさせる。

 そこには、我々日本人の通常の感覚では到底、理解できない何かがある。通常の民主主義国家の発想とは大きく異なる、何かと我々は対峙しているということだけは言えるだろう。

ワシントンで高まる中国不信

 米国ワシントンDCでは、そうした中国に対する不信感が急速に高まっている。

 もちろん、そのきっかけは中国・武漢で新型コロナが発生した際の中国政府の初動に対する批判だ。

 エスパー国防長官は4月16日のNBCによるインタビューの中で「中国が誠実に事実を我々に伝えてくれているとは到底、信じられない」と指摘したうえで「中国政府がしっかり情報公開をしていれば、我々は事前にもっと有効に対策を打つことができたはずだ」と、発生源とされる武漢での中国の初動を批判している。ポンペオ国務長官も4月22日の会見で「中国は感染拡大を警告した人間を検閲し、ウイルスのサンプルを破壊した。その後のウイルスの変異をたどることもできなくなった」と痛烈に批判する。

 これに対して中国政府や関連の新聞などは米国政府の指摘を完全に否定しており、両者の主張は全く平行線で交わるところはない。コロナという世界的課題が起きている今こそ、2大グローバル・パワーの米中の協力が必要とされるにもかかわらず、両者は協力するどころか、コロナを契機に反発を強め、米中戦略競争関係をさらに激化させる兆しを見せている。


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