Wedge REPORT

2021年2月25日

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 「人員を2割ほど増やしているが、毎日23時、24時まで働く状況がもう1年近く続いている。代休はとれているが、休職や離職した職員もおり、時間外労働は月100時間を超えている職員が多く、中には月200時間を超える職員もいる」。全国保健所長会副会長を務める大阪府・枚方市保健所の白井千香所長は、保健所職員の窮状をこう訴えた。

新型コロナ患者の症状や重症化リスクを踏まえて入院先の調整が行われる
(THE MAINICHI NEWSPAPERS/AFLO)

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起きてから1年が経つが、保健所や医療体制の〝ひっ迫〟が続いている。1月26日の衆議院予算委員会に参考人として出席した政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は「医療体制および保健所機能の強化については、2020年夏に感染者数が下がった時期にもっとやっておけばよかった」と述べた。

(出所)取材を基にウェッジ作成 写真を拡大

 何が保健所や医療体制をひっ迫させているのか? 年末年始にかけて、東京都港区のみなと保健所で応援にあたった感染症対策コンサルタントの堀成美氏は「『新型コロナウイルス感染症発生届』(発生届)のシステムへの入力といった事務作業や、患者の入院先の調整が業務の大半を占める」と語る。

 新型コロナの感染者が発生した場合、保健所の業務フローを示したのが右図だ。医療機関や民間の検査機関が検査を実施し、新型コロナ陽性(感染者)と診断した場合、検査を実施した医師は新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS:ハーシス)やFAXを用いて、発生届を管轄の保健所に提出する。

 各保健所は発生届を受理すると、電話で感染者の体調確認や、濃厚接触者の調査を行い、そののち、健康観察を行っていく。20年11月から21年1月まで、1週間あたりの感染者数が全国で1万人を超える状況が続いたことで、業務負担も同時に増えていった。

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