2023年11月30日(木)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年11月5日

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お客様が「価値」を
より感じられる買いものへ

 外商の商材は〝高くて良いもの〟が取り扱われているイメージが強いが、金額だけが商品の価値ではない。

 「『高いからきっと良いものなのだろう』と思われがちですが、商品特性、背景にあるストーリー性、こだわりなど、商品に秘められた『価値』はさまざまあります。そしてお客様が『価値』だと感じるポイントも十人十色です。お客様にとっては必ずしも、金額が高い方が良いとは限りません」と前出の種村氏は語る。

 同店ではお客様に「価値」をより感じてもらうために、「体感」してもらえるサービスも数年前から始めた。

 「4、5年ほど前、外商担当やバイヤーがあくまで商品知識として知っているような『製造過程』などを、お客様が価値として感じてくださっていることを知りました。そこで海外ブランド発祥の地を外商担当者が同行して案内し、一般には公開されていない工房の見学や、ファッションショーの観覧ができるような『特別な経験』を提供することも始めています。まだ試行錯誤の段階であり、直接、店舗の売り上げに直結するものばかりではありませんが、お客様に喜んでいただける『外商ならではの価値』を提供するための挑戦を続けています」(種村氏)

 外商員と顧客の日々のコミュニケーションはオンラインが主流になりつつある。ただ、画面の先にいるのが「自分のことを分かってくれている信頼できる人」であり、自分が「価値」と感じる選択肢をダイレクトに提案してくれるという点で、AIチャットや自動で表示されるポップアップ広告とは大きく異なる。これはECサイトが超えられない壁だろう。もちろん、全ての提案がピッタリとはまるわけではないが、そんな人間味あふれる関係性から生まれる「価値」が今の時代にこそ求められているのかもしれない。

 
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 バブル崩壊以降、日本の物価と賃金は低迷し続けている。 この間、企業は〝安値競争〟を繰り広げ、「良いものを安く売る」努力に傾倒した。 しかし、安易な価格競争は誰も幸せにしない。価値あるものには適正な値決めが必要だ。 お茶の間にも浸透した〝安いニッポン〟──。脱却のヒントを〝価値を生み出す現場〟から探ろう。

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Wedge 2022年11月号より
価値を売る経営で 安いニッポンから抜け出せ
価値を売る経営で 安いニッポンから抜け出せ

バブル崩壊以降、日本の物価と賃金は低迷し続けている。この間、企業は“安値競争”を繰り広げ、「良いものを安く売る」努力に傾倒した。しかし、安易な価格競争は誰も幸せにしない。価値あるものには適正な値決めが必要だ。お茶の間にも浸透した“安いニッポン”─。脱却のヒントを“価値を生み出す現場”から探ろう。


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