2023年1月30日(月)

Wedge REPORT

2022年12月31日

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 コロナ禍が続いた2022年。下半期に突入してすぐに、日本を震撼させる事件が起きた。安倍晋三元首相が銃撃である。分断社会の兆候ともとれる事態をどう見るべきか、Wedge ONLINEの記事から振り返る。

(西村尚己/アフロ)

なぜ、凶行は起きたのか

 2022年7月8日午前11時半ごろ、奈良県で参院選の応援演説をしていた安倍元首相が凶弾に倒れた。事件発生直後、欧州各国のメディアはこぞって速報を流した(「安倍元首相銃撃事件 欧州メディアはどう報じたか」)。各メディアは、「日本の銃規制は厳格であり、銃撃事件は極めて稀である」という日本社会の実態に即した情報を発信していた。

 米国のニュース専門局・CNNは「緊急ニュース」体制に、地上波にあたる3大ネットワークや新聞はトップニュース扱いした(「米国が見た安倍晋三氏と岸田首相にお願いしたいこと」)。「シンゾウ・アベ」に対し、日本の西側同盟における位置を確固たるものとし、同時に日米同盟の安定化に寄与した、オバマ政権とトランプ政権という全く異なる政権と良好な関係を構築し外交的な成果をあげたと評価した。

 なぜ、かつて国を率いたリーダーが殺されるという事件が起きてしまったのか。まず、警備体制に対して、警察組織や要人警護に対する批判や課題が取りざたされた(「安倍元首相銃撃警察庁検証に足りない要人警護への視点」)。凶行の動機に関連した旧統一教会についても、その後の政治的な争点となった。

 しかし、事件は、SNSなどを中心とする言論空間を中心に起きている社会の分断が起こしたこととも言えよう(「安倍元首相の「死」 SNS時代の憎悪と分断の果て」)。国論を二分する政治課題へ果敢に挑んだからこそ、安倍元首相は批判を呼び、個人が攻撃の対象となってしまった。安倍氏への批判は著名な政治学者まで声高に語っていたことは、それらの憎悪を確実に増幅させた(「安倍氏への誹謗合戦の果ての凶行か 分断社会を防ぐには」)。


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