2024年12月5日(木)

#財政危機と闘います

2023年5月4日

 4月26日、国立社会保障・人口問題研究所は、長期的な日本の人口を予測した「将来推計人口」を公表した。そのうち中位推計(出生中位・死亡中位)の結果によれば、日本人人口に限ってみれば、2048年に人口が1億人を割り込み、2059年には出生数が50万人を下回ることが見込まれている。さらに、超長期では、2120年に生まれる日本人は中位推計だと23.8万人、高位だと46.5万人、低位だとなんと12.2万人と見込まれている。

(TanyaJoy/gettyimages)

強まる外国人への依存

 「異次元の少子化対策」との関係で注目すべきは、新将来人口推計の前提として、日本人人口の減少を穴埋めしてくれる外国人は、前回推計では6.9万人だったものを16.4万人の流入超過が見込まれると引き上げたことだ。この結果、70年時点における外国人は939万人と20年時点の3.4倍に増え、総人口の1割を超える推計になっている

 このように、外国人の流入が日本人人口の減少を下支えする結果、総人口で見れば、2056年に人口が1億人を割り込むことになるので、外国人のおかげで8年、総人口が1億人を割り込むのを遅らせることが可能となった。しかし、いずれにしても、14年6月に閣議決定されたいわゆる「骨太の方針」で、50年後(2064年)に1億人程度の安定した人口構造の保持を目指したものの、その時の目標年から8年前倒しで総人口は1億人を割り込むこととなる。

 総人口に占める65歳以上人口の割合は、20年の28.6%から70年には38.7%へと上昇するが、65年時点では前回推計と変わらず38.4%と見込まれる。65歳以上人口のピークは、前回は42年の3935万人、今回は43年の3953万人となる。

 生産年齢人口(15~64歳人口)は、20年の7509万人から70年には4535万人に減少すると見込まれている。ただし、前回推計と比べると、生産年齢人口の減少が抑制され、上振れする結果となっている。


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