2024年4月21日(日)

医療神話の終焉―メンタルクリニックの現場から

2023年6月13日

 ChatGPTに、次のように聞いてみた。

 「60歳、男性、企業の管理職の立場にあります。最近、朝起きるのがつらく、仕事への意欲も落ちているようです。さあ、どうすればいいでしょうか」

 以下のように答えてくれた。

朝起きるのがつらく、仕事への意欲が落ちている場合、以下のアプローチを試してみることをおすすめします:
睡眠習慣の見直し: 朝起きるのがつらい場合は、睡眠の質や量が関係している可能性があります。十分な睡眠を取るために、就寝時間を見直したり、寝室の環境を整えたりすることが重要です。規則正しい睡眠スケジュールを作り、リラックスできる環境を整えるように心がけましょう。
健康管理の重視: 健康状態が意欲やエネルギーに影響を与えることがあります。定期的な健康チェックアップを受け、食事や運動のバランスを考えた健康な生活を心がけましょう。適度な運動やストレス管理法を取り入れることも有益です。
目標の再確認: 仕事への意欲が落ちている場合、目標を再確認することが重要です。自分がなぜこの仕事に取り組んでいるのか、自身の役割や目的を振り返りましょう。また、現在の業務内容や職場環境が自身に合っているか考えてみることも大切です。
ワークライフバランスの改善: 長年の管理職の立場で働いていると、ワークライフバランスが崩れがちになることがあります。自身の時間や趣味、家族との時間を確保することで、仕事に対するモチベーションを高めることができます。休暇や休息をしっかりと取ることも忘れずにしましょう。
サポートを求める: 心身の状態が改善しない場合は、専門家の助けを借りることも検討してください。カウンセラーや専門医に相談し、ストレスやうつ症状などの可能性を確認することが重要です。
重要なのは、自身の状態を理解し、対策を講じることです。

 なかなかやるではないか。少なくとも、症状を順に尋ねて、数を数えて、持続期間を聴いて、「うつ病」ないし「うつ状態」と診断して、直ちに抗うつ薬を出すタイプの精神科医よりよほど優れている。

(metamorworks/gettyimages)

 ChatGPTは、当然ながら「自分は精神科医である」という自覚を持っていない。そのため、「人を見たら病気だと思う」職業病に罹患していない。

 それゆえ、いきなり病気と見なすことをせず、睡眠習慣の問題ではないか、食事・運動の問題はないか、業務内容は職場環境の問題ではないか、ワークライフバランスの問題ではないかと、複数の可能性を考えてくれている。こういう回答は、相手に自分自身について振り返ることを促すだろう。その点、十分なアドバイスもないまま、「いずれにせよ、治療はクスリ」となりがちなメンタルクリニックよりはいいかもしれない。


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