2024年4月15日(月)

脱炭素・脱ロシア時代のエネルギー基礎知識

2023年11月18日

 自給率は、消費するものを国内からどれだけ供給可能かを示す比率です。必要な物を国内から提供できれば、海上輸送途上でのトラブルによる入荷不安、輸出国の事情による供給途絶の心配もなく安心です。

 自給率が特に注目されるのは、食料とエネルギーです。ともに必需品で供給途絶は国民の間に大きな不安をもたらします。

(Thitichaya Yajampa/Irina Thalhammer/gettyimages)

 1973年の第一次オイルショック時の石油の供給不安と価格上昇が、必需品のトイレットペーパーの奪い合いを全国で引き起こしました。当時紙の生産には大量の石油が使われていたからです。今は輸入された石炭が主な燃料になっています。

 30年前の1993年には記録的な冷夏による米の不作により「平成の米騒動」が発生しました。国産米が大きく不足し、タイ、中国、米国などから米が輸入されました。国産米と異なる品種のインディカ米を食べた記憶がある読者もおられると思います。

 ともに必需品のエネルギーと食品ですが、自給率を考えるときには違いがあります。

食料とエネルギーは異なる

 平成の米騒動の時に米を輸入しましたが、品種は異なるものの比較的簡単に買い付けられたように思います。

 食料と異なりエネルギーの代替は簡単ではありません。石油を使っている設備で石炭とか天然ガスで代替することは困難です。

 さらにエネルギーが不足した時に、直ぐに輸入可能でしょうか。例えば、石油の輸入が中断した時に、代わりに輸出してくれる国を見つけることは困難です。

 食料とエネルギーでは、供給可能な国の数が大きく異なります。食料は多くの国が輸出を行っています。お金があれば、いざと言う時に購入することも可能です。

 石油、石炭、天然ガスは生産と輸出国が限定され、いざと言う時にお金を出しても買えるとは限りません。生産量と港湾などの輸出インフラの能力に限度があるからです。


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