この貨物駅の減少に伴い、鉄道車両数も減少し、下表の通り近年に至っても漸減傾向にある。
すなわち、現在の日本においては、鉄道輸送へのモーダルシフトを加速しようにも、すぐに対応できるようなインフラも輸送力も不足していると言わざるを得ないのだ。
90年代以降減少傾向にある内航海運
次に、モーダルシフトを担うべきもう一つの輸送モードである内航海運について見て行くこととする。まずは、下図をご覧頂きたい。
内航海運は、60年代までは鉄道輸送の後塵を拝していたものの、鉄道輸送が退潮した後も拡大を続けたが、バブル崩壊やリーマンショック等を経て急速な減少傾向に入った。近年においても漸減傾向にある。
鉄道輸送と比べると大きい貨物量を担っているように見える内航海運ではあるが、下図の通り全輸送機関の中に占める重量ベースのシェアをみると、自動車(トラック)輸送が90%を超えているのに対して、内航海運のシェアは一桁台なのである。
このような内航海運の状況を受けて、内航船の船腹量、特にトラックからのモーダルシフトを担うべきコンテナ船(海上コンテナを専門に運ぶ船で、国際定期航路の主力。貨物船の中で最も高速)及びRORO船(貨物をトレーラーシャーシ〈貨物を載せる土台部分〉ごと運ぶ船で、貨物が自走して積み込まれる)の船腹量も、下図の通り横這いから漸減傾向にあるというのが現実なのである。
つまり、現在の日本においては、鉄道輸送のみならず、内航海運へのモーダルシフトを加速しようとしても、直ぐに受け入れられるようなインフラも輸送力も不足しているということなのだ。