2025年12月5日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年9月16日

 2025年8月28日付ウォールストリート・ジャーナル紙が、「金正恩とプーチンが北京での軍事パレードに団結を示すために習近平に加わる。中国の指導者は自国が世界的強国であることをこの機会に示そうとする」との記事を掲載している。

(ZUMA Press/アフロ)

 北朝鮮の指導者金正恩は来週の北京での大軍事パレードに団結と西側への挑戦を示すためにプーチンと共に参加する計画である。水曜日のパレードは、中国の指導者習近平が主催し、中国が米主導の国際秩序を覆そうとする諸国のリーダーであるとの力強いイメージを与えるための初の3者による共同イベントである。

 しかし3カ国にとりこれを契機に力をつけることには、彼らの国が米国とそれぞれの議題を追求する中、制約がある。トランプと習近平の首脳会談は中国が米関税の削減を求める中、年内にもありうる。

 トランプはまた、ロシアと北朝鮮とのより良い関係の可能性を示している。彼は既にウクライナ戦争を討議するために最近アラスカでプーチンと会ったし、今週初めには第1期目に3回会った金と再会したいと述べた。

 中国は8月27日、パレードの賓客リストを公表したが、金正恩が含まれていた。トランプは出席しないし、欧州の首脳のほとんども出席しない。代わりに習近平は、イラン、パキスタン、マレーシア等の指導者の参加を得た。韓国は国会議長で代表される。

 パレードは第2次世界大戦での日本の敗北の80周年を記念し、最新兵器とともに何千人もの軍人が天安門広場を行進し、中国の軍事力を誇示する機会になろう。金にとり、この行事は多数国の首脳の会合に出る初めての機会であり、2019年以来の訪中の機会になる。習は5月のモスクワでのプーチンの勝利記念日には出席したが、北朝鮮は数人の軍人を送っただけだった。

 ロシアの兵士と並んで戦う北朝鮮兵士の展開は、中朝関係を緊張させた。中国はロシアのパートナーであり、米国の制裁の効果を鈍くさせるために経済的支援をしている。中国と北朝鮮が対立している印は、2019年の外交関係樹立70周年をともに祝ったのに、昨年は75周年の祝いはしなかったことに見られる。


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