米大リーグ、ドジャースの佐々木朗希投手が、地区シリーズ突破の立役者として、評価を急上昇させている。メジャー1年目の今季は、本来の先発でスタートするも右肩の負傷でシーズン大半を離脱。しかし、終盤に中継ぎで復帰すると、当初はロースター入り(ベンチ入り)も危ぶまれたポストシーズン(PS)で、救援陣の柱となる大車輪の活躍をみせる。
PSは最速163.2キロをマークするなど、4試合に登板して2セーブ(S)、防御率は0.00。日本時間10月14日から始まったブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズでは、抑えを任された。結果はピンチを招き降板したが、まだまだ活躍が期待される。何より、佐々木投手の年俸がメジャー最低保証76万ドル(約1億1000万円)であることを忘れてはならない。
チームの「救世主」に
リーグ優勝決定シリーズのマウンドは、佐々木投手にとってほろ苦いものになった。
2点リードの九回に登板したが、1点を失って2死を取っただけで悔しい降板となった。それでも、チームは1点差で勝利。日刊スポーツは、正捕手のウィル・スミス捕手がNHKのインタビューに対して「悪くはなかった。ストライクもアウトも取れていた」と語ったことを紹介した。
「Shot For Roki(朗希に乾杯)!」
チームメートが地区シリーズ突破の救世主として称えたのは、2勝1敗で迎えたフィリーズとの第4戦の熱投だ。1-1で迎えた8回から3回をパーフェクト。当初予定の2回を超える36球を投じ、チームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
「ストレートの強さとスピードとコントロールが自分の中でいいラインまで来た。いい緊張感の中で投げられている」
右腕の言葉にも自信がこもっていた。
日本メディアもスポーツニュースなどが大々的に報じ、日刊スポーツとスポーツニッポンは10月11日付朝刊(東京本社発行)の1面でそれぞれ報じた。
ドジャースはレギュラーシーズン終盤から救援陣が崩壊状態となり、ワールドシリーズ連覇の不安要素となっていた。今季限りで現役を引退する37歳のレジェンド左腕、クレイトン・カーショー投手もブルペン待機へ回ったが、第3戦では5失点と大炎上。苦しい台所事情に加え、指揮官の継投策を巡っても、采配への批判が上がっていた。
救援陣の再構築を図りたかったドジャースにとって、佐々木はまさに救世主だ。
