2026年3月21日(土)

トランプ2.0

2026年3月17日

「差し迫った脅威」はあったのか?

 トランプがイスラエルと共同して行っているイランへの軍事攻撃は、国際法に違反し、米国内では連邦議会の承認を得ずに攻撃したもので、正当化されないと一般的に批判されている。加えて、主として民主党議員から米国に対してイランからの「差し迫った脅威」は存在しなかったという非難もなされている。にもかかわらず、トランプはMAGAから圧倒的な支持を得ている。

 イランに対する軍事攻撃後に行われた英誌エコノミストと調査会社ユーガブによる全国共同世論調査(2026年3月6~9日実施)の調査結果をみてみよう。同調査は、イランの体制転換を求めた直後に行われた。その後、トランプはイランに無条件降伏を要求し、イラン国民に政権を乗っ取れと呼びかけている。

 同調査によれば、トランプのイラン対応について、全体で39%が「支持する」、52%が「支持しない」、10%が「分からない」と回答し、「不支持」が「支持」を13ポイント上回った。ところが、MAGA支持者に限ってみると、91%が「支持する」、6%が「支持しない」、3%が「分からない」と答え、約9割がトランプのイラン対応を支持している。

 また、「イランの差し迫った脅威」に関して、全体で25%が、イランが「差し迫った脅威をもたらした」と答えた。一方、38%はイランの「脅威はあったが差し迫った脅威ではなかった」、23%は「脅威はなかった」と回答し、差し迫った脅威あるいは脅威そのものが「なかった」が約6割を占めた。

 しかし、MAGA支持者の63%が、イランが「差し迫った脅威をもたらした」、22%が「脅威はあったが差し迫った脅威ではなかった」、6%が「脅威はなかった」と回答し、逆に約6割が、「差し迫った脅威があった」という認識を示した。

 差し迫った脅威は、一般的に軍事行動の正当な理由となっている。しかも、米連邦議会の承認なしに攻撃ができる権限を大統領に与える根拠となっている。

イランによる米大統領選挙介入

 MAGAは、なぜ一般の国民と異なる解釈をするのか。MAGAはイランが今にも核兵器を保有し、米国を攻撃する差し迫った脅威があったというトランプの「物語」を信じているようにみえる。

 また、MAGAがよく情報源として好んでいるニュースマックス(Newsmax)は、歴代の米大統領が47年間(1979年親米政権崩壊)何もしておらず、テロ政権を許してきたが、トランプが行動に移していると高く評価する報道をしている。

 さらに、トランプとマルコ・ルビオ国務長官は、イランが核兵器を保有し、米国を攻撃する可能性が高かったと強調している。

 トランプは、イランが彼を選挙で負かすために、中国、イランおよび北朝鮮が2020年と2024年米大統領選挙で、選挙に介入したとMAGAに訴えてきた。2020年大統領選挙の敗北には、これらの国家の責任の一部があるとした。このメッセージは、イラン体制の転換という政治的目的を達成するためのメッセージでもあり、MAGAに強い影響を与えたと考えられる。


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