2026年5月31日(日)

古希バックパッカー海外放浪記

2026年5月31日

やはり日本の看護師さんの労働条件は劣悪なのだろうか

 11月18日。ランソンのホステルでマドリードから来たノーマン嬢と朝食をとりながら歓談。20代後半のノーマンは、マドリードの大手総合病院勤務の看護師。今回は中国南部とベトナムを2カ月旅行する計画。年に1回か2回、このような気ままな1人旅をしているという。朝食の後はジープに乗って中越国境の滝を見物に出かけるといかにも楽しそうだ。

 フィリピンで会った英国人の看護師さんが“3カ月の有給休暇!!”で東南アジア旅行をしていたことを思い出した。他方で日本の看護師、特に病院勤務の看護師は勤務シフトがタイトで年に連続2週間の休暇を年に1回取得できればラッキーというような話を何度か聞いたことがある。

 昨年チリのアタカマ砂漠のオアシスの町サン・ペドロ・デ・アタカマで出会った日本人の看護師さんは、日本の病院勤務の看護師の待遇は給与水準・休暇制度があまりにも酷いと嘆いていた。彼女は1年前に病院を辞めてオーストラリアへ語学留学した。そして今年からオーストラリアの病院で働く予定だと語っていた。

 ちなみにカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど英語圏の国では日本の看護師資格があれば、英語能力試験で一定の成績を取れば、正規の看護師として当該国の看護師と同一待遇で働ける。フィリピン人看護師がこれらの国に多いのはこうした制度があるからだ。

 円安が常態化すれば、これからは日本から欧米に転職する看護師が増えるのではないだろうか。ちなみに2年前にニュージーランドのクライスト・チャーチの高級老人ホームを訪問したら、2人の日本女性が介護士として勤務していた。

ホーチミンの安宿の隣のレンタル・ウエディング・ドレスのスタジオで 試着している花嫁さん。披露宴ではお色直しにベトナム伝統衣装を着るとのこと

フランスのバツイチのビジネスエリートの心配事とは

 11月19日。カオバンのホステルの食堂でフランス人のジャン46歳と歓談。ジャンは理工系の国立大学出身だ。ヨーロッパでは大学卒はエリートであるが、フランスでは国立大学を卒業するといきなり管理職としてキャリアが始まるようだ。

 ジャンは卒業後フランス国営石油に勤務。フランス国営石油はいわゆるオイル・メジャーであり、世界中に石油資源の権益を持ち石油ガスを生産しているフランスを代表する巨大企業である。それゆえジャンは、オイル・ビジネスに詳しくロシアの石油産業、中東情勢など興味深く業界裏話を聞いた。話しぶりから世界中のオイル・ビジネスの現場を飛び回っていた様子が覗われた。

 転職して大手鉄鋼メーカーで技術部門を担当していたが、最近販売部門の責任者の辞令をもらったという。フランスでもビジネスエリートは全く異なる分野を転々と経験させられるようだ。少し驚いたのは、ジャンが既に新しいポジションの業務内容を詳細に把握していたことだった。大口販売先はシトロエン、プジョー、シーメンス、トタル・エナジーなど錚々たる大企業だ。

 現在はフランス中部に住んでいるが、ベトナム旅行を終えたらベルギー国境近くに引っ越すとのこと。ジャンはバツイチで小学生の息子がいるという。現在は自分の両親に預けているが、転勤したら息子を引き取って一緒に住むことを希望していた。長いこと離れて暮らしていたので息子とどのように接したらよいのか途惑っていると吐露した。ビジネスに関しては理路整然と滔々と語るが、息子のことになると今一つ自信が持てない様子だ。ビジネスエリートであるジャンの素朴で繊細な一面が垣間見えたように思った。


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