他方で、イラン戦争は、驚くべき同盟関係も生み出している。中でもウクライナが湾岸諸国と築いた新たなパートナーシップは最も顕著な例だ。4月、ウクライナはカタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)との新たな安全保障協定を発表した。
ウクライナはドローン技術と訓練支援を、中東諸国からの外交的支援、エネルギー取引、そして高度な防空システムと引き換えに提供したいと考えている。
米国がキーウへの武器・装備供与をほぼ停止して以来、欧州はウクライナにとっての生命線となっている。しかし、欧州が今後も強力な支援を継続できるかどうかは、イラン戦争による燃料や物資の不足が欧州経済を圧迫するかどうかにかかっている。
また和平が実現しなければ、この状況はさらに悪化するだろう。専門家は、欧州にとってイラン戦争は「二次戦線」ではないと主張する。
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イランを事実上支えるロシア
本件記事は、ウクライナ戦争とイラン戦争が、①軍事技術の拡散、②イラン・ロシア間協力、③同盟・パートナーシップ関係、という三つの側面において互いに関連し合っているとした上で、ウクライナ戦争の終結はイラン戦争の行方と切り離しては考えられないことを指摘している。
政策論的立場から最も焦点を当てるべきは、②に関連するロシアの動きだ。これら二つの戦争が深く関連し合っているのは、結局のところ、ロシアが戦略的な意図をもって両戦争の「ハブ」となって深く関わっていることにあるのであって、現代戦における軍事技術の一般的な拡散は付随的な要因に過ぎない。
ウクライナ戦争とイラン戦争の関連性に着目し、一方のみの和平はあり得ないとの前提に立って和平を模索するのであれば、何よりも対処しなければならない相手はロシアだ。
イラン戦争における米国との交渉においてイランが強気の姿勢を崩さないのは、実際イランがなお戦えるだけの戦闘能力を維持しているからであり、その支えとなっている最重要の要素の一つがロシア(及び中国)による協力だ。
ロシアがイランに提供する装備は、①ドローン(イラン製をベースに、対電波妨害装置を伴うなどの形でアップグレードしたものを含む)、②防空システム(イランが求めるS-400はなお供与されないが迎撃範囲20km程度のPantsir-S1や携帯式防空システム)、③サイバー兵器(ハッキング技術、位置情報追跡装置偽装、通信暗号化技術など)など多岐にわたるが、中でも米国にとって厄介なのが、④偵察衛星による米軍基地等のリアルタイム位置データの提供だ。
