2026年8月17日(月)

トランプ2.0

2026年8月17日

今後の懸念と展望

 米中間選挙後、11月に中国広東省でAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が開催される。今年12月のG20首脳会議と来年のG7首脳会議は米国で行われるが、来年G20はイギリス、APECはベトナムで開催が予定されている。同行記者団は、トランプ暗殺計画に巻き込まれる不安をいだきながら、大統領の動向を取材し続けることになる。仮に今秋の米中間選挙の前に、米・イラン戦争が停戦ないし終結しても、その懸念は決して消えることはないだろう。

 米FOXニュース(8月12日付電子版)によれば、ホワイトハウスの記者協会(WHCA)会長で同ニュースのジャッキー・ハインリヒ記者は、トランプの側近と面会し、同行記者団の安全性と報道の正確性や信頼性に関して説明と対策を求めたという。今後、同行記者団が大統領の「おとり」ないし「人間の盾」にならないように要求するのは当然だ。また、ハインリヒが、同行記者団が無意識に誤った情報を提供しないように、ホワイトハウスに対策を求めたのも納得がいく。

 米紙ワシントン・ポスト(8月13日付電子版)は、トルコにおけるトランプに対するイランからの脅威に関する情報は、イスラエルからの情報であり、CIA(中央情報局)は、「脅威の度合いの信頼度は低い」とみていたと報じた。

 この情報を提供したイスラエル側の事情も勘案するならば、トランプがイランの核兵器開発問題や体制転換を遂行せずに、「勝利宣言」をすることがないように、彼に常に脅威を感じさせ、軍事攻撃を継続させる意図があったと推論できる。トランプ自身もイスラエルが自分を関与させたいと述べたことがある。ホワイトハウスやシークレットサービスは、イスラエルの策略に嵌ったと言えるかもしれない。

 近い将来、シークレットサービスは、トランプに対する「差し迫った脅威」への対応を求められる状況や、イスラエルからの情報に基づいて極秘に作戦を実行する場面に直面する可能性が出てくると考えられる。仮に、今回と同様、非情な決定が下され、同行記者団がトランプの犠牲になったとしよう。そのとき、「大統領の命は同行記者団の命よりも重い(今回の事案についてシークレットサービスの元関係者のホワイトハウス擁護論)」という主張に対して、米国民は果たして納得するだろうか――私利とレガシー(政治的功績)を追求する不人気の大統領に対して異議を唱え、大統領の自己弁護を受け入れるとは筆者には到底思えないのだ。

 今後、野党・民主党は、トランプの搭乗機変更に関して、証人を読んで公聴会を開催し、米中間選挙の援護射撃にすることができるのか注視したい。その際、スカビーノ、ハープおよびナウターがどのような立場で登場するのか、どのような証言をするのか、あるいはトランプがそれを阻止するのかも注目点である。

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