世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。
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2022/06/24 岡崎研究所
イスラエルとUAEは、4月に合意していた自由貿易協定(FTA)に調印した。イスラエルにとり初のアラブ国家とのFTAとなる。今回は、経済的意味以上に、政治的意味合いが強いように思われる。背景にあるのは、イランという共通の脅威である。
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2022/06/23 岡崎研究所
中国海軍が東シナ海、南シナ海での活動に加え、世界的に基地ネットワークを作ろうとしている。大西洋に接する西アフリカにまで軍事基地がおよぶ。米中の海軍力の戦略バランスが、中国に優位に働いているとも言える。
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2022/06/22 岡崎研究所
スリランカは5月、債務不履行に陥った。これは、スリランカ特有の問題ではなく、先進諸国のインフレ、金利の上昇、食料と燃料価格の高騰など途上国に共通の問題である。
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2022/06/21 岡崎研究所
台湾を巡る米中紛争は急速に核化する可能性がある。中国は今後、空や海の核を拡大し、実際の戦闘作戦を進め、米国等の戦闘意志を挫くために核で脅迫をするだろう。プーチンや中国の考えを見ると、核の敷居が低くなっていることに強い危惧を覚える。
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2022/06/20 岡崎研究所
米国では、8%を超えるインフレを受けて、政権内外で、トランプが18年に導入した対中制裁関税を引き下げるよう求める声が高まっている。対中制裁関税の撤廃はインフレを直ちに0.3%下げ、潜在的には向こう1年で1%以上インフレを下げる効果があると…
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2022/06/17 岡崎研究所
中国がソロモン諸島との極めて不透明な安全保障協力協定、王毅外相による太平洋島嶼国の訪問、外交関係を持つ10カ国外相らとの「サミット」会議と、太平洋諸国との協力関係の構築を進めている。これは 、島嶼国の独立と主権を脅かすものになり得る。
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2022/06/16 岡崎研究所
バイデンのアジア政策、特に対中政策には貿易政策が欠如している。貿易政策の良し悪しを議論する前に、貿易について思考停止しており、貿易課題に挑戦する意思もないようだ。
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2022/06/15 岡崎研究所
中国が経済的な損傷を受けている。政府の大規模な公共投資で成長率を底上げする可能性はあるが、ゼロコロナ政策、それにともなうロックダウン、それに習近平の民間部門への締め付けと、習近平のワンマン支配の欠点が目立ってきている。
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2022/06/14 岡崎研究所
ウクライナ侵攻の前においても欧州各国の立ち位置には分裂の傾向が見られたが、ウクライナ侵攻が始まるや、対ロシア経済制裁と対ウクライナ武器支援の面で稀に見る結束を実現した。しかし、欧州の結束は戦況の変化と同じ弧を描いて変化しかねない。
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2022/06/13 岡崎研究所
東京におけるクアッド首脳会議で、IPMDA(海洋状況把握のためのインド太平洋パートナーシップ)が発表された。念頭にあるのは中国の漁船団による収奪的な漁業であるが、海警の船舶と連動した海上民兵もある。
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2022/06/10 岡崎研究所
米国は、バイデン大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の会談を実現し、両国関係を修復する方向に動いている。ウクライナ戦争に起因するエネルギー市場の動揺もあり、止むを得ない選択となってきたと思われる。
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2022/06/09 岡崎研究所
北朝鮮では新型コロナが感染爆発を起こしている。しかし、そうした中でもミサイル発射実験は続いている。北には、制裁を維持し、外交と抑止を継続していくべきだ。
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2022/06/08 岡崎研究所
バイデンの対中戦略が軍事偏重になっており、貿易・投資が欠如している。軍事だけではうまくいかない。米国の貿易・投資の増大により中国の影響力をバランスすることが効果的な政策になるだろう。
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2022/06/07 岡崎研究所
西側のロシア制裁は意外な形で効いている。ロシアの急増する貿易収支黒字は輸入の激減によるものであり、それが戦車など装備の製造に必要な部品の供給を阻害しているとみられるからだ。
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2022/06/06 岡崎研究所
中国とロシアは、日本海と東シナ海に戦略爆撃機を飛ばし、共同演習を行った。バイデン大統領のクアッドの首脳会合のための訪日に合わせて行われたものであるが、ウクライナ戦争にかかわらず中露の結束はかなり強固であるということを示すものである。
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2022/06/03 岡崎研究所
バイデン政権は、トランプ政権が導入した渡航制限やビザ発給制限、キューバへの送金の制限等を部分的に解除する措置を発表した。キューバとの外交関係再構築を公約していたので、もっと早期に取り組んで良かったものである。
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2022/06/02 岡崎研究所
プーチンはウクライナをロシアに吸収合併し、ベラルーシとの3カ国よりなる「ミニ・ソ連の再興」を夢見たのだろうが、結果としては、国連憲章にある戦後の秩序を壊し、ロシアの国際的な地位にも大きな損害を与え、制裁によりロシア経済も疲弊させている。
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2022/06/01 岡崎研究所
ワシントンで開催された米国・ASEAN 特別首脳会議では、28項目の「共同ビジョン声明」を採択した。ASEANにおいて、政治的にも経済的にも米国への期待が高まっているのであれば、米国にとって、対ASEAN外交を強化する大きなチャンスである…
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2022/05/31 岡崎研究所
ウクライナ戦争における西側の目標は、ロシアの置かれた状況を侵攻以前よりも悪くすることであるべきなどと強気なものに転じている。西側の強気の発言には、軍事的分析の裏付けがあるのであろうが、目標に到達し得るかどうかは分からない。
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2022/05/30 岡崎研究所
ウクライナ情勢は中国指導部の台湾統一戦略に何らかの影響を与えているだろう。習近平にとっては、ロシアの侵略がはじまってから、10~12週間がたち、台湾問題との関係で、自分たちの計算が狂ってきたと思っているのではないか。
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