ベストセラーで読むアメリカ
ベストセラーを見れば世相がわかる--知っているようで知らないアメリカの実相を知ることは、日本を考えることに欠かせない。
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2023/01/11 森川聡一
中国が台湾へ侵攻し米国と戦争するとしたら、それは2020年代に起きうる。中国が近い将来に暴走する可能性に警鐘を鳴らす書だ。売れ行きをよくするための、こけおどしではない。米国の外交・安全保障の専門家2人がまとめた真面目な本だ。
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2022/08/28 森川聡一
選挙で勝つにはトランプのご機嫌をとるしかない。ワシントン政界のお粗末な現実を描くノンフィクションだ。トランプが2017年に大統領に就任するや、トランプへの媚びへつらいに徹した共和党の議員たちや、ホワイトハウス高官たちの追従ぶりを事細かに描…
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2022/01/31 森川聡一
サイバー兵器が世界で野放しになり、米国に脅威が迫っていると警鐘を鳴らすノンフィクションだ。ロシアはすでに米国の送電網や原発の制御システムに侵入し、いつでも大規模なサイバー攻撃をしかけられるという。
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2022/01/12 森川聡一
ロシアがウクライナ情勢を巡り強硬な姿勢を崩さないのは、西側諸国、特に米国による抑止力の限界を見透かしているからだ。2014年のクリミア併合でも実は、米国国防総省は米軍を上回るロシア軍の実力を目の当たりにしている。
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2021/12/05 森川聡一
歴代の野球選手ベスト100人をランキングした本が米国で話題だ。米国人の大リーガーたちの名前がずらりと並ぶなか日本の選手2人が登場する。イチローがランクインしたほか、もう一人は日本球界を代表するスーパースターだ。
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2021/10/11 森川聡一
米軍が20年続けたアフガン戦争を放り出して逃げたのは当然の結末だった。アメリカが続けた悲劇の戦争の本当の姿を、政府高官や米軍の将校らの数々の証言をもとにあぶりだすノンフィクションだ。
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米国のアジア人差別の暗い歴史
2021/09/13 森川聡一アメリカは第二次世界大戦下に、日系人に対し非人道的な人種差別政策をとった。その歴史の暗部に光をあてるノンフィクションだ。日本人なら涙なしでは読めない。日本にゆかりがあるわけではないアメリカ人作家が書いてベストセラーになったのも意義深い。
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2021/06/29 森川聡一
南シナ海で中国がアメリカの軍艦を撃沈し、並行して台湾へ攻め入り支配下に置く。中国人民解放軍によるサイバー攻撃で通信網も打撃を受けたアメリカは核兵器での報復に踏み切る。近未来の2034年を舞台にした米中戦争を描く小説だ。元米海軍大将がプロの…
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2021/06/11 森川聡一
アメリカの疾病対策センター(CDC)は自己保身を最優先する頭の固い専門家の集まりで何もしない。アメリカ国民の命を守るという本来の使命よりも、感染症の正確なデータを収集し学術誌に論文を発表することに熱心だ。何の権限も持たない在野の医者や研究…
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2021/05/11 森川聡一
アメリカ軍による第2次世界大戦末期の東京大空襲は必要だったのか? 女性や子供を含む民間人を無差別に殺した東京大空襲を検証した歴史ノンフィクションだ。
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2021/04/14 森川聡一
約40人のアメリカ兵の戦地での体験談を、独白形式で収録したノンフィクションだ。アフガニスタンやイラクなどで戦った兵士たちの赤裸々なモノローグの連続だ。世界のどこかで常に軍事行動をするアメリカという国は、兵士たちの勇気を称賛し、若者たちを鼓…
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2021/03/30 森川聡一
地球の温暖化による海面上昇の影響で、世界には水没の危機に瀕している都市がたくさんある。フロリダ半島のマイアミ、イタリアのベニス、ナイジェリアの旧首都ラゴスなどなど、水没の脅威が迫る現場を歩いてきたジャーナリストの手になる警告の書だ。遠い未…
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2021/03/16 森川聡一
世界のなかで最も成功している会社のひとつであるアマゾン・ドット・コムの社内では日々、どのような会議を開き新しいビジネスを生み出しているのか。会議ではパワーポイントでつくったプレゼン資料の使用は禁止、新サービスの開発に着手する前にまずプレス…
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2021/01/02 森川聡一
今回とりあげるベストセラーは、一時は世界最大の銀行となったドイツ銀行の無軌道な経営ぶりを告発するノンフィクションで、ドイツ銀行とトランプ帝国の不透明な関係にも詳しい。本コラムでとりあげるのが遅くなってしまったが、本書はニューヨーク・タイム…
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2020/11/25 森川聡一
黒人として、また女性として初めてアメリカの副大統領になるカマラ・ハリスにも不都合な真実がある。ハリスが政治の世界への足掛かりをえたのは、20代のころ31歳も年上の政界の重鎮と交際を始めたからだ。しかも、その大物は既婚者だった。大物政治家を…
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2020/11/02 森川聡一
黒人を奴隷にしていた時代に始まったカースト制度が、現代のアメリカでもまだ続いている。自身も黒人である女性ジャーナリストの手になる本書は、アメリカにおけるカースト制度を告発する。
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2020/10/14 森川聡一
アメリカ軍の装備はAI(人工知能)など最新テクノロジーの導入が遅れており、もはや世界最強ではない。技術革新による武力行使のパラダイムシフトに無自覚だ。対テロ戦争に注意を向けている間に中国の脅威を見過ごしてきた結果、いま中国人民解放軍と戦っ…
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2020/07/21 森川聡一
広島と長崎に原爆が落とされてから75年がたとうとする今、アメリカでは原爆投下を正当化する歴史読み物がベストセラーとなっている。あのとき原爆を使わなければ戦争は長引き、アメリカ兵の犠牲がさらに増える可能性があったから仕方のない選択だった――…
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トランプ再選に向け援護射撃、民主党のライバルたちを糾弾
2020/03/02 森川聡一トランプ大統領の再選に向け、援護射撃の役割を担うノンフィクションの売れ行きが好調だ。大統領選でトランプの対抗馬になりそうなアメリカ民主党の政治家たちの欺瞞や腐敗ぶりを徹底した調査であぶりだす本だ。バーニー・サンダース上院議員やジョー・バイ…
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ゴーン逃亡者もビックリ『Catch and Kill』
2020/01/23 森川聡一本書が読みごたえがあるのは、ハリウッドの大物による性的暴行を明るみにするだけで終わらないからだ。業界の大物といった特権階級が、お金の力でマスコミ、元諜報機関の工作員、検察OB、大物弁護士らを味方にして、自己を正当化する情報戦をてがる事実を…
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