進む「アサド勝利」既成事実化 内戦以前に回帰す…

シリアとその周辺国では、内戦後を見据えたような動きが顕在化している。「アラブの春」から10年以上が経ち、中東諸国のパワーバランスは内戦以前へと回帰しつつある。

史上３回目の「歴史決議」採択 習近平が正した中…

中国共産党は同党史上３回目となる「歴史決議」を採択した。この決議がいったいどういう内容で、どんな意味を持つのかについては腹オチすることは難しい。筆者が注目したキーワードは「錯誤」（中国で「あやまち」の意）だ。

イランの核武装が現実になる日

米イラン核合意再交渉の裏でイスラエルとの対立激化

イラン核合意の再建を目指す米国とイランの間接協議が５カ月ぶりに再開された。イラン側は協議を「不当な制裁を解除するのが目的」としてハナから〝けんか腰〟、難航は必至だ。この裏でイランと不倶戴天の敵イスラエルがサイバー攻撃合戦を激化している。

地域の民主主義保持のために止めるべきニカラグア…

ニカラグアの大統領選挙で、現職のオルテガが当選したとされているが、この投票率に疑問がかけられている。今回の選挙は、独裁国家化の完成を証明するものであり、放置すれば、ラテンアメリカ全体で域内指導者の独裁的傾向を更に強める可能性がある。

見据える必要も出てきたプーチン後のロシア

ロシアの世論は弾圧で抑え込まれているが、ロシアの世論は反プーチンになってきている。西側への好意的評価、特に若者におけるその傾向も見えている。プーチン後のロシアを考えるべき時が来ているかもしれない。

「親の義務」から「社会の責任」へ　子育て先進国…

日本と同様に少子化問題に直面しながらも、その後のV字回復に成功したフランス。子育て世代に対する厚遇を支えるのは「子どもは社会で育てるもの」という、国民の共通理解だ。

ベラルーシの〝戦略〟で犠牲になった多くの移民

ベラルーシ西部のポーランド国境に数千人の中東からの移民が押し寄せているが、これは、ベラルーシのルカシェンコ大統領が反民主的・人権抑圧的な行動に制裁を発動したEUに報復し、難民・移民問題につけ込むことで不安定化を試みたことは明らかである。

世界を覆うディスインフォメーションに翻弄される…

SNSなどのコミュニケーション手段の社会的浸透により、これら手段を用いて流布される「偽情報（ディスインフォメーション）」が民主主義の脅威となっている。それは、偽情報が国民一人ひとりの生活や生命を脅かす危険を孕んでいるに他ならない。

首脳会談で紛争避けるも、注視が必要な米中関係

米中首脳会談で解決を見た個別問題はなかったが、米中間で誤解や誤算に基づく衝突の可能性は首脳会談前よりは減ったと言える。将来については、今後の会談や交渉の進展によるところが多く、注意深くフォローしていくことが重要だろう。

米国の北京五輪で〝外交ボイコット〟板挟みの日本

米国のバイデン大統領が来年2月に迫った北京冬季五輪の〝外交的ボイコット〟を検討している。日本政府は、同調を求められる可能性が強いとあって困惑、戸惑いを隠せない。

COP26で見せた米中の表面上での協力

COP26で注目されたのは米中両大国の動きである。今世紀中の気温上昇を1.5度に抑えるために協力することで合意し、今後10年間の気候変動対策の協力強化を盛り込んだ共同声明を発表した。これは異例なことと指摘されている。

スペインでガス価格が史上最高に 原因は北アフリ…

アルジェリア政府は今年8月、同国に対し隣国モロッコが「敵対的行動」を継続しているとし、国交断絶を発表した。その間接的な被害を受けたのが、天然ガスの約47％をアルジェリアに依存するスペインだ。

「自由な思考」は「自由な読書」から　信念貫く書…

中国を変える〝中国人〟

北京の大学街に位置する「万聖書園（ワンシェンシュウアン）」。言論統制が厳しい中国で、天安門事件や幼き頃の不遇な経験から、決して価値観を押しつけず異なる思想を読み比べられる知的空間を築いたオーナーがいる。

ロシア沈没？ 溶ける永久凍土に焦り始めたプーチ…

CO2ゼロ政策に踏み切ったワケ

地球温暖化は極寒の国、ロシアの発展に寄与する――。プーチン政権幹部はほんの数年前までは、こうした趣旨の発言をして憚らなかった。しかし、プーチン大統領は「2060年までにCO2排出実質ゼロ」を表明。その理由は永久凍土融解がロシア経済脅かすか…

「新規感染者主義」から脱却し日本経済の成長復元を

世界経済の中で「日本だけコロナ禍」という構図が続き、IMFの成長率見通しにもそれが現れた。ワクチン接種が目的化した事態を反省し、足元の円安と原油高というリスクへのいち早い備えが急がれる。

中国の核軍拡抑止に必要な国際社会の圧力と対話

核軍拡競争を避けるために、米中は軍備管理の枠組みを見つける必要がある。中国は核軍備管理になかなか参加しないだろうが、世界は中国を核軍備管理の枠内に入れるように辛抱強く努力する必要がある。

〝大分断〟のアメリカ社会に苦悩するホワイトハウス

トランプ前政権以来、深刻化した米国社会の分断が、バイデン政権下の政策運営に大きな障害として立ちはだかっている。このまま期待通りの成果が挙げられず、支持率低迷が続けば、２０２４年大統領選でも命取りとなりかねない。

異形の大国・中国「一帯一路」の現実に迫る

NHKスペシャル「広がる“中国化”一帯一路の光と影」

NHKスペシャル「広がる“中国化”一帯一路の光と影」は、「中国の夢」への最大の戦略「一帯一路」について、カンボジアを中心としながらも、タイ、マレーシアなどのASEAN、そしてEU諸国にもカメラを入れたドキュメンタリーの傑作である。

EU分裂をもはらむポーランド司法の在り方

ポーランドの法の支配と司法の独立の問題はEU首脳会議の議題ではなかったが、討議の機会は設けられた。メルケルはEUの東西分裂、およびそれがEUを麻痺させる事態を怖れていると言われる。

難民危機で墓穴 〝欧州最後の独裁者〟ルカシェン…

「黒幕」はロシアのプーチン大統領か？

ベラルーシ西部のポーランド国境にＥＵ流入を図る難民が集結している問題は〝欧州最後の独裁者〟、ベラルーシのルカシェンコ大統領が仕組んだことが濃厚となっている。しかし、ＥＵに揺さぶりを掛けるつもりが、追加制裁を受けるなど墓穴を掘った格好だ。