国民は普段、中国の影響を83%と認識するが、
科学界は20%~50%と発表する
青瓦台(大統領府)は世論が悪化すると、首相室傘下にすでに"微粒子物質対策委員会"と"微粒子物質改善企画団"を置いているが、さらに、大統領直属の「微粒子物質問題解決のための国家気候環境会議」(以下、国家気候環境会議)を設置し、潘基文(パン・ギムン)前・国連事務総長を委員長に任命した。
国家気候環境会議は10日、「微粒子物質の発生原因などに対する不正確な情報に国民の不信が高い」「国民は普段、中国の影響を83%と認識するが、科学界は20%~50%と発表する」と明らかにした。
ところが、ネットの意見は、国家気候環境会議の発表を簡単には受け入れない。あるネットユーザーは「科学界の発表をもとに、中国の影響が20~50%と判断したが、50%に達する影響力も非常に高い数値だ」と指摘した。
潘基文委員長は、「国同士が互いに戦うのではなく、大気汚染物質と戦わなければならない」「中国との関係は攻防ではなく、互いに経験を共有し、相互協力する方向を選ぶのが望ましい」と述べた。
潘委員長はさらに「私が先月、中国の習近平主席に会ってみると、(習主席が)非常に深刻に思っており、韓国が直面している様々な状況についてもよく分かっていて、お互いに協力し合おう、という話を交わした」と紹介した。
潘委員長の習主席発言の紹介は、多分に国民の強い不満を抑えるための世論を意識した発言と聞こえる。余談だが、潘委員長は次期の首相候補の中の一人として名乗っている。
国家気候環境会議は、一般国民501人で構成された国民政策参加団が二回にわたって国民大討論会を行って、ここから出た意見を専門委員会で検討したあと、本委員会の審議を経て、9月に政府に政策を提案する計画だ。
これに対し、専門家グループよりは国民政策参加団の発言が強くなる可能性があるという懸念のため、専門性が欠如するのではないかという指摘が出ている。
世論は、「科学技術領域に近い微粒子物質対策を、国民政策参加団の熟議を経て練るというのは理解できない」「微粒子物質対策を、一つの宣伝に活用しようとしているのではないか、疑わしい」との批判も。さらに、国家主導の対策班ではない国家気候環境会議に任せ、"時間稼ぎ"ではないかという疑問も提起する。
国家気候環境会議は季節的に微粒子物質の濃度が再び高くなる前の今年9月にどのような微粒子物質の低減対策を政府に提案するのか注目される。
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