社会の「困った」に寄り添う行動経済学

2021年4月16日

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佐々木周作 (ささき・しゅうさく)

東北学院大学経済学部准教授

東北学院大学経済学部准教授。博士(経済学、大阪大学)。専門は行動経済学・実験経済学。三菱東京UFJ銀行・京都大学特定講師等を経て現職。一般向け書籍に『今日から使える行動経済学』(ナツメ社)等がある。
 

コロナ禍で外出機会が減る中で、運動不足に悩む、本日の困ったさん。日々の習慣が大事だと、頭では分かってはいるものの……。
コロナ禍で外出機会が減る中で、運動不足に悩む、本日の困ったさん。日々の習慣が大事だと、頭では分かってはいるものの……。
コロナ禍で外出機会が減る中で、運動不足に悩む、本日の困ったさん。日々の習慣が大事だと、頭では分かってはいるものの……。コロナ禍で外出機会が減る中で、運動不足に悩む、本日の困ったさん。日々の習慣が大事だと、頭では分かってはいるものの……。コロナ禍で外出機会が減る中で、運動不足に悩む、本日の困ったさん。日々の習慣が大事だと、頭では分かってはいるものの……。コロナ禍で外出機会が減る中で、運動不足に悩む、本日の困ったさん。日々の習慣が大事だと、頭では分かってはいるものの……。
コロナ禍で外出機会が減る中で、運動不足に悩む、本日の困ったさん。日々の習慣が大事だと、頭では分かってはいるものの……。

運動不足解消のために「毎日ランニングをしよう」と決意したのですが、結局、三日坊主になっちゃいました。運動習慣ってなぜ定着しないのでしょう?
 
 
 
イラストレーション
石野点子 Tenko Ishino
 

運動不足解消のために「毎日ランニングをしよう」と決意したのですが、結局、三日坊主になっちゃいました。運動習慣ってなぜ定着しないのでしょう?

 

「現在バイアス」という意思決定のバイアス(偏り)が影響していますね。

 
 
 
 

現在バイアス?

 
 
 

私たちは、「将来どうする?」と聞かれると、しんどいけれども理想的な選択をしようと決断しますが、「今どうする?」と聞かれると、誘惑に負けて楽な方に逃げて、実行を先延ばししてしまう傾向があるのです。

 
 

子どもの頃、夏休みの宿題を後回しにし、最終日に大変な思いをした苦い経験を思い出しました……。

 
 

運動習慣も同じで、「明日こそランニングに行こう」と計画するものの、いざ当日になると「今日は忙しいので明日からにしよう」と計画を変更して、それを繰り返しているうちに習慣化できないままになってしまう。大阪大学の研究によれば、子どもの頃に宿題を後回しにした経験のある人ほど、成人後に肥満になる確率が高かったそうです。

 
 

うーん、まさに当てはまります。そんな私でも、どうにか継続できる〝コツ〟があったりしませんか?

 
 

〝コミットメント〟という考え方を取り入れてみましょう。立てた計画を後で変更しづらいような工夫を施しておけば、時間が経ち誘惑に負けそうになっても元々の選択を実行できます。たとえば、計画を周囲に宣言して、計画倒れしたときにきまり悪くなるような環境を整えることも、コミットメントのひとつです。米国では、グループの中で目標を宣言し、それが達成できなかった場合のペナルティを設けるWebサービスを経済学者が開発して、一般向けに提供していますよ。

 
 

さっそく、運動仲間たちとグループを組んで、目標や日々の成果を報告し合いたいと思います!

 
 

ナイスアイディアです。このように、意思決定のバイアスを踏まえ、理想的な選択が実現できるように背中を押す仕組みの総称を〝ナッジ〟といいます。

 ひとくちメモ  ナッジ
経済学者のセイラーと法学者のサンスティーンが提唱した概念。ナッジ(nudge)は、辞書的には「ひじで小突く」「そっと押して動かす」の意味を持つ。彼らは、ナッジを「選択を禁じることも、経済的なインセンティブを大きく変えることもなく、人々の行動を予測可能な形で変える選択アーキテクチャー(構造)のあらゆる要素」と定義した。行動変容を促すナッジは、しばしば、前を歩く子ゾウを母ゾウが鼻でやさしく押し、誘導する様子にたとえられる。

Wedge4月号では、以下の特集を組んでいます。全国の書店や駅売店、アマゾンなどでお買い求めいただけます。
■「一帯一路」大解剖 知れば知るほど日本はチャンス
PART 1     いずれ色褪せる一帯一路 中国共産党〝宣伝戦略〟の本質
PART 2     中国特有の「課題」を抱える 対外援助の実態            
PART 3     不採算確実な中国ラオス鉄道 それでも敷設を進める事情    
PART 4  「援〝習〟ルート」貫くも対中避けるミャンマーのしたたかさ  
PART 5     経済か安全保障か 狭間で揺れるスリランカの活路       
PART 6    「中欧班列」による繁栄の陰で中国進出への恐れが増すカザフ
COLUMN   コロナ特需 とともに終わる? 中欧班列が夢から覚める日
PART 7      一帯一路の旗艦〝中パ経済回廊〟
PART 8     重み増すアフリカの対中債務
PART 9     変わるEUの中国観 
PART10    中国への対抗心にとらわれず「日本型援助」の強みを見出せ

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

◆Wedge2021年4月号より

 

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