オモロイ社長、オモロイ会社

2021年5月22日

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杉浦佳浩 (すぎうら・よしひろ)

代表世話人株式会社代表

三洋証券株式会社入社(昭和62年)。鹿児島支店にて勤務。地元中小企業、個人富裕層の開拓を実施。 日経平均最高値の2カ月前に退職。次に日本一給与が高いと噂の某電機メーカーに転職。埼玉県浦和にて、大手自動車メーカー、菓子メーカー、 部品メーカー等の主力工場を担当。 退職時は、職場全員から胴上げ。そして、某保険会社に20数年勤務後、平成26年末に退社。在社中は、営業職、マネジメント職を経験して、リテール営業推進、若手人財育成を中心に担当していた。 社外の活動も活発に行っていた。平成27年1月1日、代表世話人株式会社を設立。
同社代表取締役に就任。世話人業をスタート。

☆オモロイポイント(今回のあらすじ)

  • Amazon Boutique Agencyって何? ウブン社の正体について
  • 関わっているクライアントの商材が年平均300%の成長実績、Amazonからも認められた存在に
  • ウブン社から見たAmazonの今後 米国におけるブティックエージェンシー
  • 米国最速でユニコーンとなったセラシオ社の日本進出で国内小規模事業者のM&Aが活況化する
  • 父とは上司部下の関係性で育ち、小さなころから自立と苦手克服を意識
  • 事業にフォーカスすることなくまず起業 その後は事業構築は綿密且つ仲間の存在
  • GAFAに乗っかかることで自身、自社の成長を圧倒的に

 日本国内のEC市場は10兆円を超え、ますます増加の傾向は止まらない状況です。購買に紐づくデバイスの多様化、購入までの利便性向上で進化し続けている中、日本国内で6000万人ほどが利用すると言われるAmazonで、2019年に同社幹部から創業間もない経営者に対して「御社は日本国内唯一のAmazon Boutique Agencyですね」と言われた企業があります。それがウブンです。その実態と昨今のEC事情について同社代表の森岡健太郎さんに話を聞きました。

Amazon Boutique Agencyとは?

 ウブンという聞き慣れない社名、その社名に込めた想いからお聞きしました。

 「ウブンとは、南アフリカのズールー語から名付けています。『ウブントゥ』という言葉があり、『他者への思いやり』、『あなたがいるから私がいる』『あなたのための私』という意味があります。大統領だったネルソン・マンデラ氏がスピーチに使ったことで知られています。

 自分が起業する際にこの感覚、精神を大切にしたいと思い社名に決めました。ウブンは想いをもった人が集まり、想いをカタチにするための幹であり、箱であり、装置。ウブンに関わる想いを持った人のためのウブンでありたいと考えています」

 このコメントの最後の部分が同社の経営理念であり、「つながり、つくり、広げる」ことを念頭に事業を展開されています。ウブン社は2018年1月に創業し現在4期目、売上は非公開ですが毎期数百%の勢いで成長しています。同社の活躍を見て紹介を中心として仲間が増えているそうです。

 彼らの説明には、「Amazon利用戦略・戦術・運用に特化した国内唯一の Amazon Boutique Agency です。ゴールは、Amazonでの売上最大化であり、そのためにパートナーとして事業社様のカテゴリシェア最大化を支援しつづけます」とあります。

 Boutique Agency について先進国である米国の事情を聞くと、米国では Amazon に特化したスタートアップ企業がほとんどだそうです。

 それはなぜでしょうか?

  • 広告運用のみをしても売上は上がらない。
  • GoogleやFacebookは広告予算を掛ければ掛けるほど上位表示されるが、ことモールであるAmazonにおいてはEC売上が上がって初めて上位表示される、先に実績が大切。
  • Amazonにおける物販、物流、配送、手数料のスキームを理解して初めて売れる枠組みを策定し実行しないと広告だけではうまくいかない。

 従来では、Amazon に来訪したユーザーのみを対象とした施策をする代理店と、Amazon からユーザーを呼び込む代理店など、ユーザー行動は一連なのにもかかわらず、領域が分かれていた経緯がありました。「Amazon 内への集客部分は得意であっても来訪してくれたユーザーに対しての対応ができていないことが大きかったのでは?」と、森岡さんは話します。Amazon 内で「売れる」ロジックを理解したうえで、集客から接客まで(深い専門知識)を理解し実行できていることが、Boutique Agencyと呼ばれる理由です。

具体的にウブン社はどのような取り組みをしているのか?

 「売れるか?」「何をどれくらいどのように実行するか?」を、事前に調査を念入りにし、販売戦略を策定した上で取り組むそうです。

 事前にしっかりと販売戦略を策定することは単純に広告予算を掛けても売上が上がらなかったという苦い体験から実施しているとのこと。もちろん取引ができないと判断した顧客には、商材マーケットの概況の説明や、Amazon の特性、「自助努力」の方法とどの段階になったらウブン社と取引することがメリットにつながるのか丁寧に説明をしています。

 次に、「売り場づくり」「接客最大化」「集客最大化」で売上最大化を実現していることです。同社提供の資料のとおり、3つのステップでクライアントに向き合っているそうです。

 

 「順番通りに改善をしてくこと」が最も重要だそうで、実際ウブン社に来る相談の多くはSTEP3集客最大化だけに着手しているか、STEP3から着手しているためにあまりうまく行っていないケースが多いそうです。

 また同社ならではの、検索対策(同社では棚取り対策と表現していて Amazon の検索対策をおこなうことは、流通における棚取りと同義であるとしています)、Amazon SEO、出品戦略、広告、商品ページ整備、レビュー解析、アカウント設計などを必要なタイミングで確認実行し売上最大化のサイクルを回しています。

 テレビCMでも有名な大手企業からもウブン社に相談が舞い込み、取引実績も堅調に伸びているそうで、特筆しているのが膨大な広告予算を持っているマーケティングセクションが顧客ではなく、実際に売上実績を追いかけている営業部門の人々と取引となっているそうです。理由はまさしくウブン社が売上実績を出せているから。そして営業部門の方が掛けられる予算が小さい場合も多く、小さな予算感に大手広告代理店が見向きもしないところでウブン社は着実にファンを取り込んでいます。

森岡さん

 ここ最近セミナーで登壇が増えていますと笑顔の森岡さん。セミナー登壇の回数が多くなっている理由は、Amazon社のサイトに理由があります。それがこちら(2021年2月にAmazon Advertisingサイトに掲載)。これは2018年から取り組んだフィッツコーポレーション社での成功事例がリリースされた前後、昨年の12月と今春4月でAmazon主催のウェビナーには300名、500名と活況となっています。共同セミナーをAmazon社から依頼されていることが同社の信用に繋がっていると感じます。

 ウブン社で取り組みを開始した、ミシンを製造販売するアックスヤマザキの山崎一史社長に話を聞きました。同社は、昨年グッドデザイン賞金賞を受賞、楽天市場で総合順位1位を獲得。今年1月に Amazon に出品を開始しました。

「具体的な成果の擦り合わせは当然合意した上でですが、最終的な決め手は森岡さんの人間性で、この方なら信頼できると思い業務を依頼しました。

 具体的には、自分ができること、できないこともええかっこせずに素直に教えて頂けると思ったこと。自分たちのマニュアルを教えつけるのではなく、弊社の状況に合わせて柔軟にご対応頂けたことも業務を依頼しようと思ったポイントでした。もしできなければ違う形でも応援させて頂きます、と仰られた言葉からとても誠実な方だと思いました。

 Amazon に出品後、売上が増える分、単純に業務量が増えることが不安でしたが、出品に必要な細かい作業だけでなく、市場分析も含め、総合的にご支援いただけているので、頼りになる社員が1人増えた感覚でとても助かっています」

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