2022年11月28日(月)

ザ・ジャパニーズ3.0(昭和、平成、令和) ~今の日本人に必要なアップデート~

2022年11月17日

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桂木麻也 (かつらぎ・まや)

インベストメントバンカー

カリフォルニア大学卒業・内外の投資銀行に20年超の勤務経験を有する。クロスボーダーのM&Aに造詣が深い。著書に『ASEAN企業地図』(翔泳社)、『「選択肢」を持って「人生を経営」する』(ウェッジ)。

 このコラムを連載するようになって1年が経つ。『ザ・ジャパニーズ3.0(昭和、平成、令和)』という変わったタイトルの下、日本人のユニークさを炙り出そうとしてきた。ある時はお金の教育の話であったり、ある時は夢やオポチュニティ(機会)の話であった。そして今回、連載が決まった時から書きたいと思っていたトピックをとうとう書くことにした。

 それは日本人にとっての英語である。我々日本人は中学、高校、大学とそれなりの時間を使って英語の勉強をさせられる。2020年からは小学校でも英語学習が必修となり、日本人が英語と向き合う時間はますます増えている。しかし英語の能力を問われると、「読むのは読めるが、書くのは苦手、話すのはもっと苦手」という人が多い。なぜこれほどの時間をかけて勉強してきて、英語が話せるようにならないのであろうか?

(kf4851/gettyimages)

 その理由は2つある。1つ目は英語を話すことができないと経済的に不利益を被ったり、生命の危機に晒されるというような環境に置かれていないためである。日本人の全く住んでいない米国の片田舎で仕事をするケースを考えてみると良い。周りに日本人が誰もおらず、かつ英語で意思疎通ができなければクビになる状況に身を置けば、間違いなく英語は習得できる。またそんな町で病気になって医者にかかる場合には、自分の具合をうまく説明できなかったり、医者の言うことが理解できなければ命に関わる。このようなサバイバル状況は、間違いなく英語習得を後押ししてくれるであろう。

英語力向上の動機が絶対的に少ない

 しかし日本における普段の生活において、当然だが英語がサバイバル要件にはなってはいない。外資系企業に勤める場合であっても、その企業の日本支社で日本人同僚と席を並べて仕事している限りにおいては、英語ができればBetterではあってもMustではないケースがほとんどだ。日本に住む外国人の日本語が上手な理由は、日本語スキルが彼らにとってのサバイバル要件になっているからである。繰り返しになるが、日本国内にいる限りにおいて我々日本人にとっての英語力向上の動機が絶対的に少ない。それこそが英語が上達せず、いつまでも話せない最初の理由である。

 もう1つの理由は、そしてこちらがより重要なのであるが、単に話すトレーニングをしていないためである。小学校から始まる英語学習において、日本人が最も時間を使うのは読解と文法である。これらは、入試問題はもちろん、英検やTOEICのような英語能力試験においても出題の中心である。リスニングのテストもあるが、これは会話などの音声を聞きながら設問を読む訳で、半分は読解である。英語の技能を学校で学ぶ時間のウエイトで並べると、読む>書く>聞く>話す という順番である。

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