2024年11月21日(木)

バイデンのアメリカ

2023年12月11日

 習近平氏はこれからの世界をどうとらえ、中国共産党をどこへ導こうとしているのか――。経済力、軍事力で米国に迫りつつある中国への警戒感が高まる中、欧米では独裁色を強める習近平国家主席の抱く「世界観」論議が活発化しつつある。

(代表撮影/ロイター/アフロ)

米中首脳会談で見せた主張

 米国のバイデン大統領と中国の習近平国家主席の1年ぶりの首脳会談が先月15日、サンフランシスコ近郊で開催された。

 会談はそもそも、ここ数年、対立色を深めつつある両国関係の「安定化」を企図したもので、バイデン政権側からの呼びかけに習近平氏が応じる形で実現した。

 4時間以上におよぶ両首脳対面でのやり取りの後、双方はこれまで途絶えていた米中両軍高官による対話再開で合意したと発表した。しかし、中国側は台湾問題で、統一への意欲を改めて強調するとともに、米側に台湾問題への関与をけん制した。

 また、習近平氏は、バイデン政権が主導する半導体などの対中輸出・投資規制について、「サプライチェーンの混乱や保護主義の台頭が目立ってきている」と批判するとともに、規制の撤廃を求めた。

 さらに、西側世界にとって当面、最大関心事となっているウクライナ危機などへの対応についても、習近平氏はロシア側に一定の理解を示した従来からの立場を一歩も譲らなかった模様だ。

 こうした中国側の強気の態度は、習近平氏自身が描く今後半世紀先まで見つめた「世界観」と決して無関係ではない。

 それは果たして、どのようなものなのか。


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