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2023/03/02 樫山幸夫
林芳正外相が国会の予算審議優先を理由にG20外相会議の欠席を決めた。国会審議はもちろん重要だが、ロシアのウクライナ侵略が討議される貴重な機会に外相の姿がないとなれば、日本は置き去りとなる。55年体制の老残を見せてはいけない。
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2023/02/16 樫山幸夫
岸田文雄首相、林芳正外相は2月に入ってから、太平洋島しょ国、他の東南アジア首脳らを相次いで招き、萩生田光一自民党政調会長は台湾で蔡英文総統と会談した。中国を念頭に置いた動きであるのはいうまでもない。
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2023/01/20 樫山幸夫
岸田首相の〝外遊冬の陣〟が終わった。一定の成果をあげたようだが、もどかしい印象もぬぐえない。期待されたウクライナ訪問が実現しなかったためだろう。キーウを訪問できないまま、5月の広島サミットに議長として臨むのだけは避けなければならない。
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2023/01/03 樫山幸夫
順風満帆だった岸田内閣は22年、安倍晋三元首相の殺害、統一教会の暗部が抉り出されたことで、支持率があれよあれよという間に低下、一気に窮地に追い込まれた。23年の永田町、起死回生をはかるため、首相が大物を担ぎ出すとの憶測もなされている。
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2022/12/22 樫山幸夫
「国防の本義」という見出しが躍っていた。 敵基地攻撃能力を含む安保関連3文書の閣議決定を報じた新聞記事だ。軍人臭がする一言半句をつけ込まれないか心配したくもなるが、岸田首相は、国民が共感しやすい「令和の国防の本義」を打ち出してほしい。
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デビッド・ハウエル英国元エネルギー・運輸相インタビュー
2022/11/19 樫山幸夫英国の歴代政権で多くの要職に就き、知日派でもあるデビッド・ハウエル氏がインタビューに応じた。ウクライナ情勢で懸念される欧州エネルギー問題について、今冬は乗り切れるものの、早急にロシアに代わる供給元を確保すべきとの見解を示した。
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2022/11/10 樫山幸夫
米国中間選挙は予想外の接戦、なお最終決着をみていないが、早くも次の号砲が鳴ろうとしている。トランプ前大統領は11月15日にも2年後の大統領選に向け態度を表明するという。「大統領候補への起訴」を躊躇させようとの目論見が感じられる。
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2022/10/05 樫山幸夫
北朝鮮による中距離弾道ミサイル発射は、ウクライナ情勢で揺れる世界にあらたな脅威をもたらした。そこには、包括的な核兵器体系の完成という金正恩の狙いも見えてくる。日本は外交努力に加え、米軍との軍事協力によって抑止、防御能力の強化が必要だ。
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2022/09/22 樫山幸夫
「カチンの森事件」にも劣らない残虐非道というべきだろう。ロシア軍によるとみられる拷問室がウクライナ各地でみつかり、集団墓地から市民を含む数百人もの遺体が掘り起こされている。各国からロシアによる侵略行為そのものを裁くべきとの声も出ている。
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2022/09/08 樫山幸夫
制裁に対するロシア側の報復が本格的に始まった。対露関係が冷却化するのだから、ここはむしろ、領土問題を中心とする対露政策を大胆に見直す機会にすべきだ。さしあたっては、「4島返還」という長年貫いてきた基本方針に回帰するチャンスだろう。
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2022/08/11 樫山幸夫
内閣改造で、「ロシア経済分野協力担当相」ポストの存続が明らかになった。日本はロシアのウクライナ侵入を受けて強い制裁を課し、共同経済活動も見合わせている一方で、「経済協力」を推進するというのだから、矛盾はなはだしいというほかはない。
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2022/08/03 樫山幸夫
ペロシ米下院議長の台湾訪問に中国が強く反発し、米中関係は冷却化し緊張を増すだろう。ただ、緊張が激しいと伝えられれば伝えられるほど、不安が脳裏をよぎる。実のところ、過去に日本が煮え湯を飲まされた経験が何度かあるからだ。
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2022/07/16 樫山幸夫
安倍晋三元首相の葬儀へ台湾の頼清徳副総統が参列したことに中国が非難した。対して 林芳正外相は記者会見で頼氏を「ご指摘の人物」と表現した。こんなことで、まともに中国に対抗しようと考えているとしたら、おかしいというべきだろう。
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2022/07/13 樫山幸夫
ロシアに安保理常任理事国だけでなく、国連の正統な代表権がそもそもあるのか――という疑念が指摘されている。ソ連が崩壊、ロシアに権限が移行した際、国連の手続きがあいまいだったことが遠因で、ロシア、中国抜きの〝第2国連〟創設論も台頭している。
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2022/07/10 樫山幸夫
参院選わずか2日前に起きた安倍晋三元首相殺害事件は国内外に異常な衝撃を与えた。安倍氏に対しては、誹謗、中傷が絶えなかった。反対意見を暴力で封じ込める――。日本での民主主義の未成熟さとともに、暗い「分断社会」の到来を予感させる。
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松田邦紀駐ウクライナ大使に聞く(後編)
2022/06/28 樫山幸夫ウクライナ情勢をめぐって、現地で情報収集にあたる松田邦紀大使は、ゼレンスキー大統領らが強く供与を要請していた重火器の前線配備が先週末までに完了したことを明らかにした。これらの投入によって攻勢にさらされている東部での反撃体勢が整ってきた。
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松田邦紀駐ウクライナ大使に聞く(前編)
2022/06/25 樫山幸夫ロシアによるウクライナ侵攻から4カ月、戦闘は激しさを増している。ウクライナのインフラは100兆円を超える壊滅的な打撃をうけても、市民は高い士気を保ち、多数の避難民が帰還している。松田邦紀駐ウクライナ大使による現地レポートをお伝えする。
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2022/04/08 樫山幸夫
ウクライナ市民の多数の惨殺遺体は、ロシアによる組織的、計画的な犯行の疑いが指摘されている。国際刑事裁判所によるプーチン大統領らへの訴追は簡単ではないが、クーデターや暗殺を呼びかけも少なくなく、プーチンの末路はきびしいものになるだろう。
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2021年回顧と2022年展望(国内政治)
2021/12/29 樫山幸夫2021年の〝年男〟はいうまでもなく、岸田文雄首相、その人だった。下馬評を覆して総裁選で完勝、解散総選挙ではこれまた悲観的な予想を覆して実質的な勝利を収めた。22年も〝時の人〟であり続け、長期政権を目指すことができるか?
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2021/11/29 樫山幸夫
米国のバイデン大統領が来年2月に迫った北京冬季五輪の〝外交的ボイコット〟を検討している。日本政府は、同調を求められる可能性が強いとあって困惑、戸惑いを隠せない。
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