国民が将来の変化を選んだエクアドル大統領選

エクアドル大統領選で、2年の国会議員の政治経験しかない35歳がベテラン女性政治家に勝利した。これは、治安の悪化と困難な経済状況に不満を募らせ、既存の政治家に失望している国民が、将来に変化をもたらす期待にあることを明確に示している。

経済界に迫られる対中国デリスキングへの選択

企業にとり現在の選択肢は、「中国プラスワン」か「中国事業の分離」の択一のようだが、企業が難しい選択に直面していることは容易に理解される。対中デリスキングは迅速にはいかないし、簡単でもないとされるが、その必要性自体は否定されていない。

ポーランドは政権交代へ 真の民主主義を果たせるか

ポーランドの議会選挙の結果、野党連合が政権に就く見通しとなった。ただ、現意見に同調する大統領らが民主主義と司法の独立を回復するための改革を妨害しかねず、民主主義の真のエストはこれからにある。

経済減速の中国に日本と米国は何を言うべきか

中国の経済減速は習近平国家主席の外交にも影響を及ぼし得るが、中国は譲歩しか無いと思う程追い詰められていない。日本や米国は誤解を避けるためのコミュニケーションの維持は大変に重要だが、問題は、そこで何を話すかだ。

人質救出に向けたイスラエル諜報活動の内幕

イスラエル軍のガザ地区への地上侵攻が事実上開始された。敵の位置を知ることは、戦闘教義の基本で、地下トンネルの正確な地図を作ることは、イスラエルの諜報員にとっての急務の課題である。

ハマスとの衝突を起こしたイスラエルの〝失敗〟

イスラエルでは、ハマスをパレスチナ解放機構に反対させ、パレスチナを「分断」させるのが妙手と考えるような時期があったようだが、これは誤った前提であったと思われる。衝突はそうした〝失敗〟によって起きたかもしれない。

ネタニヤフ政権内対立激化も なし崩し的地上侵攻…

パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマス壊滅を目指すイスラエル軍は越境作戦を展開、通信網を遮断して事実上の地上侵攻を開始した。米国が侵攻に難色を示し、停戦を求める国際包囲網が強まっていることから〝なし崩し的〟な作戦に踏み切ったようだ。

いつの間にかボロボロ 算数・数学教育を再建せよ

日本の算数・数学教育は成功し、米国は失敗しているとされていたが、現代では逆転しつつある。日本の産業競争力が失われているのは、算数・数学教育の低迷という問題が深く根を下ろしている。具体的な６つの論点について問題提起したい。

カタルーニャ独立問題で機能不全寸前のスペイン議会

7月の総選挙で、第1党となった右派連合は過半数に足りず、7つの地域政党から支持を得られず、信任投票を取れなかった。次点に位置する社会労働党のサンチェス書記長が首相候補者となるが、ここでも地域政党の信任を得る必要がある。

再び軍部・王党派となったタイ 民主化は果たせな…

5月のタイの選挙で第一党となった前進党が強引に排除され、第二党のタイ貢献党が公約を裏切って軍部・王党派と手を握り、内閣を発足した。いつまでも一部のエリートが国民を無視して密室で政治を決め続けられないだろう。

【解説】米国でイスラエル・ロビーはなぜ強いか？

キーワードから学ぶアメリカ⑪

イスラム組織ハマスとイスラエルとの交戦が激化する中、米国のバイデン大統領がイスラエルとの連帯を強調した。この方針には、連邦議会でも超党派的に支持する。そこには、米国においてイスラエル・ロビーが極めて強い影響力を行使していることがある。

夏目漱石『虞美人草』の〈運命の女〉と酒井抱一の…

絵画のヒストリア④

夏目漱石の『虞美人草』の美貌のヒロイン藤尾は、まわりの男たちを翻弄した挙句、わが身の虚栄と驕慢に引き裂かれるようにして頓死する。漱石が門下に「嫌な女」と伝えるほどの存在のモデルは漱石がロンドン留学時の経験が影響している。

米欧が保護主義へ動いた真の理由と講ずべき対策

グローバリゼーションは、中国の民主主義を促進するどころか、民主主義を弱体化させた面もある。西側諸国は保護主義へと進んでおり、それは単なる経済だけでなく、社会、政治的安定に掛かっているとされる。問題は、如何なる政策をとるかということになる。

ウクライナのEUへ期待の声と山積する課題

欧州統合のプロセスにおいて「加盟国の拡大」は統合を進める推進力の一つであったが、少し前まで真剣に討議されなかった。しかし、ロシア・ウクライナ戦争で、ウクライナ加盟へ前向きな姿勢を取る必要が出てきており、解決すべき問題となっている。

強化される中露のスパイ活動への対応の難しさ

中露の西側に対するスパイ活動は非常に活発になっている。米国や英国において、その摘発を進めるが、中露は報復としてスパイ容疑で西洋人を捕らえている。日本も中露両国に行くことは極力控えるか、必要最小限にとどめることが賢明である。

台湾で「年間４万人以上」の外国人労働者が失踪す…

第３回

台湾で就労する外国人労働者の賃金に関しては、最低賃金の伸びを上回る勢いで増えている。台湾労働部によれば、外国人労働者全体の６割以上が働く製造業の平均賃金は、22年６月までの2年間で4000元以上増加し、残業代を含めて3万2302元（約15…

台湾の介護も外国人頼み、激化が見込まれる人材獲…

第２回

日本にとって台湾は、外国人労働者を獲得するうえでの最大のライバルだ。ベトナムやインドネシアといった労働者の供給国、また人材を求める職種においても共通する。とりわけ今後、日本と台湾ともにニーズが増えると見られる職種の一つが「介護」である。

イランはハマスのイスラエル攻撃に関与したのか

イスラム主義勢力ハマスとイスラエルの衝突が激化する中、イランとハマスの関係性が大きな焦点となっている。イランは今回のハマスの攻撃に関与したのだろうか。また今回の戦闘は地域・国際情勢にどのような影響を及ぼすのか。

現地で感じた！台湾と日本の外国人労働者問題への…

（第１回）

9月６日と7日、台湾・台北市で「人身売買防止のための国際ワークショップ」と題した会議が開かれた。台湾政府の主催で2009年から毎年開かれ、今年で15回目を迎えた会議である。ワークショップには台湾の行政関係者や研究者に加え、海外からも筆者を…

第2期トランプ政権が起きた時の外交政策の懸念

トランプ第2期政権の外交政策としてありそうなことを想定してみると、それぞれ今までの米国の政策や国際情勢を大きく変えることになる。日本も、米国の変化を踏まえて、その外交防衛政策を真剣に再考する必要があるように思われる。