伝統と技術ある日本が韓国に負けるはずはない。この思いは、昭和を生きてきた多くの日本人に共通する感情だろう。だが、実際には、日本が得意としていたはずの造船、電気製品などの分野で次々に追い越され、スマートフォンや文化コンテンツでは今や太刀打ちできない状況に置かれている。
韓国防衛産業幹部が語るK-defenseの強み
韓国防衛産業大手プンサンの防衛産業本部シニアマネージャーは、K-defenseが活況を見せる理由として、防衛産業の企業努力とDAPAの支援、ロシア・ウクライナ戦争の影響――の3点を挙げた上で、「日本は戦後、米国におんぶに抱っこされ、防衛産業を育てる努力をしてこなかった。今やK-defenseは世界中から引く手あまたであり、日本のはるか先を走っている。どう足掻いても日本に勝ち目はない」と慇懃に語った。
日本政府は昨年末に改定した国家安全保障戦略に「官民一体となって防衛装備移転を進める」と明記し、「防衛装備移転三原則」に示した救難、輸送、警戒、監視及び掃海の5類型の拡大に向けた検討を行っている。
日本では、武器輸出=死の商人とする安直な報道や主張が目立つが、防衛装備品の輸出は、輸入国との防衛協力関係の強化に直結することはもちろんのこと、共同開発で蓄積された技術がデュアルユースで民生品に反映されるなど、さまざまなメリットがある。それゆえ、韓国は国策としてK-defenseを強く推進している。
はたして、日本は西側の兵器庫と例えられる韓国に、このまま引き離されていくだけなのだろうか。韓国では、ドローン中心の戦いに変わりつつある海上作戦とデュアルユースも進められている。