「国破れて脱炭素あり」G7から日本脱落の可能性も

G7サミットで脱炭素へのコミットが宣言されているが、脱炭素が実現した暁には、日本はG7の負け組になる。否、その時にはG7からも脱落しているかもしれない。日本が生き残るためには、私たちは何をしなければいけないのだろうか。

見えてきたプーチンが戦争する〝理由〟長期化で焦…

ロシアによるウクライナ侵攻が正統性のための戦争だという指摘が出てている。プーチン大統領は自分の強権統治を国民が問題視しているのを巻き返すため戦争に打って出て、強い勝利者たる地位を確保しようとしている。同じ問題が中国や台湾にもある。

世界でも特異な日本の林政　政治決断で法制転換を…

日本の林政はここ十数年、「林業の成長産業化」路線をひた走っている。「持続可能な森林管理」をベースにした森林法制への転換が不可欠だ。

極東での米の「核の傘」強化を 日本も変革は必至

トランプ時代の記憶や、中国・北朝鮮・ロシアの核の脅威を前に、韓国で米国の「核の傘」に対する不信、そして自前での核武装に対する支持が高まっている。「核の傘」に対する不信は日本にとっても他人事ではない。日米韓での協調が必要だ。

万人の心の片隅にある「記憶の断片」を巡る物語

稲泉連・著『サーカスの子』書評

著者の稲泉連さんの母は、作家・久田恵さんである。稲泉さんが３歳の時、母子家庭となった久田さんは１年後、キグレサーカスの配膳係として母子で１年半を過ごす。各地を転々としながらサーカス団と暮らした頃の記憶のかけらが、執筆の源となった。

農耕民族の日本人にインテリジェンスは不向きなのか

現在の日本政府のインテリジェンスは、諸外国と比較するとそれほど本格的なものとは映らない。そのためインテリジェンスの機能強化が叫ばれて久しいが、これに対する反対意見として必ず挙げられるのは「日本人は農耕民族なので、インテリジェンスのような世…

女性心理描く脚本家と女優陣の演技「日曜の夜ぐら…

清野菜名、岸井ゆきの、生見愛瑠と岡田恵和の相乗効果

「日曜の夜ぐらいは」は、女性の心理を描いては当代屈指の脚本家・岡田惠和による孤独な女性が友情をはぐくんでいくドラマである。若手女優のトップクラスの清野菜名、岸井ゆきのと生見愛瑠が起用にこたえている。女性ドラマの傑作である。

賃上げトレンドを持続させ経済停滞を脱する足掛か…

物価高騰下の今年の春闘は、大企業を中心に大幅な賃上げに沸いた。この流れを加速させるために、今こそ日本経済の構造的課題に目を向けるべきだ。

木材自給率が倍増しても林業が絶望的であるのはな…

この20年間で木材自給率は倍増し、40％台まで高まった。 活況を呈しているかに見えるが、現場では絶望感が漂っている。

カナダが中国外交官追放 ２国間に今起きていること

カナダ政府が議員を威嚇しようとする中国の企てに関与したとして、在トロント中国総領事館の外交官を国外追放し、中国政府も直ちに対抗措置を取った。カナダでは、中国による内政干渉の脅威への議論が加熱し、政府も重い決定に踏み切った形である。

瀕死の林業再生へ その処方箋を示そう

スギ花粉の猛威が日本列島を襲った4月、岸田文雄首相が花粉症対策に言及した。しかし、日本の林業（林政）はこうした政治発言に左右されてきた歴史だと言っても過言ではない。目先の「成長」を追い求めすぎるあまり、「持続可能な森林管理」の観点からも、…

中東で続く勢力再編 サウジとイランの狙いは

サウジとイランの国交回復のように、中東でこれまでの対立構造を覆す外交上の変革が相次いでいる。各国それぞれの狙いは、果たしてどこにあるのだろうか。

香港から見る日本モノづくり復活へのマインド設定

少子高齢化による人口減少は日本の国力低下を直撃している。20年以上、香港に携わり海外から日本を見ると、日本のプレゼンスが落ちていることを実感している。日本がこのまま「モノづくり」にこだわるとするならば、どうするべきか。

初めて明らかになった樽井藤吉の思想と生涯

『奈良に蒔かれた言葉Ⅱ　近世・近代の思想』奈良県立大学ユーラシア研究センター編

奈良と近世・近代の文化との関連について考察した論集であり、興味深いものが多いが、中でも注目されるのは福家崇洋の「樽井藤吉の軌跡と思想」である。

新冷戦の世界で経済成長継続に必要な自由貿易圏

米中対立やウクライナ戦争などにより、西側諸国と中露の間の地政学的分断は、世界経済にも悪影響を与え得る。もはやグローバリゼーションをそのまま維持することは難しく、その中では「ヘッジ」としてTPPやFTAのように自由貿易圏を拡大していく必要が…

バイデン政権が進める対中強硬は国益なのか

バイデン米政権発足以来、対立色を深める米中関係への懸念が米国内外で浮上しつつある。複数の有力メディアも警鐘を鳴らし始めた。

日本人の日本人による「マスク神話」はいつまで続…

日本でも新型コロナウイルスに関するすべての規制が解除された。そこで関心が集まっているのが、マスク着用をどうするのかだ。マスクさえすれば感染から逃れられると信じる「マスク神話」は終わるのだろうか。

日韓関係は「新時代」なるか 必要な日本の態度と…

「戦後最悪」といわれたのはわずか1年前。今は、「最も良好だった時代を超える」というほど日韓関係が改善した。5月21日には、ともに広島平和記念公園にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑で祈りを捧げる。今度こそ恩讐を超えた真の信頼関係を築くのか。

インドで進むムスリム排斥 歴史教科書でも縮小・…

ヒンズー・ナショナリズムを掲げるモディ政権の下のインドで、インド史におけるムスリムに関する記述を縮小・削除するなど、教科書の書き換えが進んでいる。これ自体が即座に民主主義への挑戦とは言えないが、モディ政権の強権的な手法は、西側諸国との将来…

インドにとって上海協力機構が価値あるものである…

岸田首相とモディ首相が会談する機会が今年は多いが、インドが今年、上海協力機構の議長国であることは日本で注目されていない。インドはQUADやインド太平洋などで日米などとの連携を深めているのに、なぜメンバーなのだろうか。