田部康喜のTV読本
大きな転換期にさしかかっているテレビ界。スマートフォンなどの登場によって、映像コンテンツの価値はより高まっている。今、観るべきドキュメンタリー番組やドラマを、記事を読んだ方がを見なくても語れるようになる記事を提供する。
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2024/04/13 田部康喜
NHK「未解決事件 File.10」は戦後最大の謎とされる「国鉄・下山総裁事件」によって迫った。作家の松本清張氏が『日本の黒い霧』や、数々のジャーナリストが取り組んできたテーマの最終結論がでたのではないか、と思わせる傑作である。
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2024/03/25 田部康喜
日本銀行が異次元の金融緩和の柱であるマイナス金利政策の解除を決めた。アベノミクスと呼ばれた財政の出動と大規模な金融政策、そして新たな産業の育成とともに17年もの長期にわたって続けられた異次元の金融緩和について、検証されなければならない。
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2024/03/16 田部康喜
NHK・夜ドラ「ユーミンストーリーズ」は、松任谷由美のヒット曲にインスパイアされた女性作家の短編集「Yuming Tribute Stories」(2022年、新潮社)を原作とする、オムニバスドラマの傑作である。
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2024/02/24 田部康喜
日経平均株価が22日、34年ぶりに最高価格を更新した。日本の株価が失われた30年を取り戻しかにみえる。前回のバブルとは異なるというものであるが、果たしてバブルの崩壊の悪夢は再来しないのだろうか。
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2024/02/16 田部康喜
「不適切にもほどがある!」は、クドカンこと宮藤官九郎が脚本を手がけるタイムスリップ・コメディの大傑作である。阿部サダヲが昭和と令和をタイムスリップしながら、現代社会の断裂の要因となっているコンプライアンスの解決を探る。
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2024/01/27 田部康喜
大河ドラマ「光る君へ」は、映像配信サービスが席巻する時代の長編連続ドラマである。大河ドラマ史上最低の世帯視聴率ばかりに注目してはいけない。王朝の絵巻物を想起させる物語は、テレビからネット配信への画期でコンテンツの可能性を示す傑作である。
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関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災……新メディアと大災害
2024/01/10 田部康喜甚大な被害を及ぼしている能登半島地震に対し、新しい通信技術が耐えて、情報を発信できたかという問題に直面している。被災状況を報道する取材体制も、経営環境の悪化によって取材拠点を縮小しつつあるという課題が見え隠れする。災害報道の今を見る。
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NHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平~2023年の伝説と代償 そして新たな章へ〜」
2023/12/31 田部康喜NHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平~2023年の伝説と代償 そして新たな章へ〜」は、天才「大谷翔平」の実像に迫る迫真のインタビューである。AIを応用して投打の技術を磨く「デザイン」という概念の先端に大谷がいることには驚かせる。
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2023/12/16 田部康喜
連続テレビ小説「ブギウギ」(NHK総合)は戦時下の日本を描きながら、戦中の日本と世界のいまがつながる。テレビ小説の歴史に刻まれる名作となるだろう。
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2023/11/29 田部康喜
「コタツがない家」は、スランプに陥っている漫画家役に吉岡秀隆を配した傑作コメディである。独特の作風で知られる脚本家の金子茂樹の本作は、妻役の小池栄子、舅役の小林薫らがバラバラになりかけてはまとまろうとする、現代の家庭を巧みに描く。
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相棒・ムロツヨシも味わい出す「うちの弁護士は手がかかる」
2023/11/10 田部康喜「うちの弁護士は手がかかる」は、ヒロインに天才パフォーマーの平手友梨奈を弁護士役に起用して、大物女優のマネジャーを解雇されたムロツヨシがパラリーガル役を務める傑作社会派コメディである。
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2023/10/26 田部康喜
「いちばんすきな花」は、昨年秋ドラマシリーズのなかで大ヒットを飛ばした「silent」を手がけたスタッフのプロデューサー・村瀬健と脚本家・生方美久らが放つ傑作である。都会の孤独な青年たちが静かなセリフを交わしながら溶け合っていくことを予想…
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NHKスペシャル「“冤罪”の深層~警視庁公安部で何が~」
2023/10/07 田部康喜NHKスペシャル「“冤罪”の深層~警視庁公安部で何が~」は、検察が起訴取り下げという異例の事態となった“冤罪事件”を追求したドキュメンタリーの最高傑作である。独自に入手した捜査資料を読み解くとともに、警察関係者らにインタビューした。
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「潜入捜査官 松下洸平」はメキシコマフィアに迫るサスペンス・コメディ
2023/09/25 田部康喜民放の無料配信サイト「TVer」が初めて制作を手がけた「潜入捜査官 松下洸平」はサスペンス・コメディともいえる作品である。映像配信サービスが世界を席巻するなかで、日本のテレビ業界は自らの将来像を探っている。「潜入捜査官」の先に見える未来と…
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NHK夜ドラ「わたしの一番最悪なともだち」
2023/09/07 田部康喜NHK夜ドラ「わたしの一番最悪なともだち」は、朝のテレビ小説「お帰りモネ」の妹役などで全国区に躍り出てきた天性の女優・蒔田彩珠が、神戸を舞台にして就活生役を演じて、内定を取れずに行き詰まった末にたどり着いた青春コメディである。
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昭和天皇は戦時下の外交戦をいかに戦ったか
2023/08/20 田部康喜NHKスペシャル「発見 昭和天皇御進講メモ~戦時下 知られざる外交戦~」は、宮内省御用掛・松田道一の12年間にわたる昭和天皇への御進講計509回のメモを、近現代史の専門家と取材班が分析した。昭和史を書き換える事実を掘り起こしたドキュメンタ…
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「ハヤブサ消防団」は〝またも〟動画配信で話題になるか
2023/08/03 田部康喜「ハヤブサ消防団」はミステリー作家の三馬太郎(中村倫也)が亡き父の実家がある山村に移住して、消防団員となり連続放火事件の謎に挑む物語である。地域おこしに取り組む立木彩(川口春奈)に迫る危機がDNAの二重螺旋のように絡み合う傑作である。
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2023/07/19 田部康喜
NHKスペシャル・混迷の世紀シリーズ「台頭する“第3極”インドの衝撃を追うは、人口で中国を抜いたうえに、GDPが2027年には日本とドイツを凌いで世界第3位に躍り出ると推定されているインドの実像に迫るドキュメンタリーの傑作である。
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2023/07/07 田部康喜
NHKの連続テレビ小説「らんまん」は、日本の植物学の父といわれる牧野富太郎博士をモデルにしたドラマである。主人公の槙野万太郎役に神木隆之介、その妻の寿恵子(すえこ)役に浜辺美波を配した夫婦愛の物語の傑作である。
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2023/06/20 田部康喜
3Dアニメ映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が世界的な大ヒットとなっている。ゲームやコミックなど世界で日本のコンテンツは世界を席巻している。そうしたヒットを生み出される仕組みを解明したい。
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