日独伊三国同盟に疑問を呈し続けた山本五十六の行動

山本五十六：その実像への接近の試み（第３回）

山本五十六が「戦争への道」において、海軍部内でいかなる役割を果たしたのかについて、一次史料に基づき学術的な探求を行った成果は少数である。日独伊三国同盟締結時における言動について、そのことがよく当てはまるように思われる。

対立か共生か 地方VS東京圏

このシリーズでは、進行する地方の高齢化問題を地方の生産力の観点から考えてきた。議論の焦点は地方にあてられており、東京など中央部に及ぼす影響は含まれていなかった。今回は、東京圏にとって地方の持続可能性がどのような意味を持つか考える。

2022年の焦点はシリアのアラブ復帰 揺れ動く…

2021年回顧と2022年展望（中東情勢）

2021年の中東情勢を振り返る時、米国プレゼンスの弱体化が進む中、イスラエルやペルシャ湾岸諸国を中心に政治的再編の動きも浮き彫りになった。22年は、イランが台風の目にとどまるのは必至だが、アサド独裁体制が強まるシリアの復帰が焦点となりそう…

日中戦争下で見せた山本五十六の対外姿勢

山本五十六：その実像への接近の試み（第２回）

自らが連合艦隊司令長官に就任して以降、1940年に浮上した三国同盟締結の再度の動きについて、山本五十六がいかなる意見を抱いていたかを示す文献として、山本の郷党で後輩であった反町栄一による『人間山本五十六』（光和堂）が有名である。

岸田長期政権の〝視界ゼロ〟党内対立が政策妨げる…

2021年回顧と2022年展望（国内政治）

2021年の〝年男〟はいうまでもなく、岸田文雄首相、その人だった。下馬評を覆して総裁選で完勝、解散総選挙ではこれまた悲観的な予想を覆して実質的な勝利を収めた。22年も〝時の人〟であり続け、長期政権を目指すことができるか？

山本五十六が軍縮会議への関心を失った海軍の人事

山本五十六：その実像への接近の試み（第１回）

太平洋戦争開戦時の連合艦隊司令長官、また三国同盟締結交渉時の海軍次官として知られている山本五十六の名が、海軍部外ではじめて高まったのは、1934年の第二次ロンドン条約予備交渉の海軍主席代表に任命され、米英代表と交渉した時から、と考えられる。

【限定公開】主戦場となるサイバー空間 〝専守防…

日常から国家まで 今日はあなたが狙われる

「宣戦布告」はなく、平時から事実上の〝開戦〟状態となるハイブリッド戦争。近隣諸国がサイバー戦力増強を進める今、日本は自国の脆弱性を直視し真正面から向き合うべきだ。

中国でも起きる人手不足 〝移民開放〟は起きるのか

2021年回顧と2022年展望（中国）

中国の経済成長を支えたのは「世界の工場」というポジションだ。人口大国の中国には無限の労働力があるとまで言われた。しかし、2010年代後半に入ると、ついに中国でも労働力不足が表面化。製造業は労働力の確保が困難になってきた。

バイデンの支持率は回復するのか？

第２回のテーマは「バイデンの支持率は回復するのか？」である。ジョー・バイデン米大統領の支持率は、アフガニスタンからの米軍撤退の混乱を機に低下傾向にある。米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティックス」によれば、バイデン大統領の各種世論調…

アメリカの正体を探る

『アメリカのありふれた町で』東理夫氏インタビュー

『アメリカのありふれた町で』（天夢人）著者の東理夫さんはレンタカーでアメリカの小さな町を巡り歩く。例えばワシントン州の人口200人足らずの町スパングル。

経済停滞で訪れた南アフリカ政治の岐路

新生南アフリカの出発から早4半世紀、南アフリカの政治は岐路に立っているようだ。今、南アフリカの政治に最も必要なことは経済であり、野党も経済成長政策を考えるべきであろう。

〝トランプ後遺症〟が続いた2021年と米中間選…

2021年回顧と2022年展望（米国政治）

バイデン政権にとって2021年は、〝トランプ後遺症〟との悪戦苦闘の1年だった。だが、いまだそこから抜け出せないまま、来る年11月には試練の中間選挙が待ち受ける。「Happy New Year！」どころか、極めて厳しい新年となりそうだ。

「公正な市場」「公正な競争条件」を信念貫く経済…

中国を変える〝中国人〟

中国で市場経済化に向けた改革を進めることは、政府の権限を制限し利権を奪うことと同義だ。政府との利害対立が必至の中、制度改革実現のため直言してきた経済学者がいる。

バイデンがこだわる「労働者中心」の貿易政策

バイデン政権が掲げる「労働者中心」の貿易政策は、政治的見返りを狙いとする保護主義であると断じても過言ではないであろう。このことは、鉄鋼セクター保護政策ひとつとってみれば明らかである。

怪物・松坂大輔で戦い方を変えた10人

『20年目の松坂世代』（上重聡著）

「平成の怪物」松坂大輔が現役生活にピリオドを打った。同学年には日本のプロ野球やメジャーリーグで活躍した選手がキラ星のように集まっている。松坂と高校時代から真剣勝負を繰り広げてきた「松坂世代」たちは、新たな時代を切り開いてきた。

二大政党制の台湾で存在感示す「小党」

二大政党制が確立した台湾では、複数のミニ政党（小党が）活躍している。小党は多様な民意の反映以外にも、若者の政治参加に道を拓く点で大きな存在価値を有しており、その存在感を示す局面もある。

「引きこもり」家庭で孤独死した男は生を求めていた

父親の日記が浮き彫りにした「空蝉の家」の物語

ETV特集「空蝉（うつせみ）の家▽ひきこもり死・家族の記憶」（12月18日）は、30年以上にわたって、引きこもり生活を送り、2018年12月に56歳の若さで孤独死した、男性とその家族を追ったドキュメンタリーの佳作である。

子どものころからの病気をどう診続けるか

脳性麻痺などの小児期に起こる慢性疾患の診療上の大きな課題の一つに、患者が何歳になるまで小児科医が診療に関わるか、というものがある。適切なケアを小児科医から引き継いで成人期の患者を診る医師が見つからないことも多い。

【行動経済学】社員の社会貢献支援で困った

企業の社会的責任（CSR）の推進を担当する、本日の困ったさん。社員の自発的な社会貢献活動をうまくサポートしてあげたいのだが……。

増える外国人労働者 日本は働く場所に選ばれ続け…

総務省は2020年10月に行われた国勢調査の確定値を発表した。それによると、総人口は15年に引き続き減少が続いているが、外国人人口は15年の191万人から275万人へと43.6％と大きく増加していた。