中国が得意な電気自動車と蓄電池
中国政府は、産業振興と大気汚染対策もあり新エネルギー車と呼ばれる電気自動車(EV)、燃料電池車導入に力をいれている。購入補助金に加え、都市部では登録台数制限の対象外とするなどの優遇策を取っていたため、世界一のEV保有国になった。しかし、EV車販売急増に伴いEVメーカがあまりに増えすぎたため、2019年6月中国政府は補助金額をEVの走行性能に応じた制度に変更し、弱小メーカーの淘汰に乗りだした。
結果、翌月からEV販売は大きく低迷することになり、新型コロナの影響もあり、昨年前半まで1年間低迷は続いた。欧州主要国が昨年前半コロナ禍からの回復を狙いEV購買補助金の増額を相次いで行ったことから、昨年のEV販売実績では、前年比137%増、140万台のEUが前年比12%増、134万台の中国を抜き世界一となった。しかし、昨年7月からは中国での販売は回復している。いま中国のEV販売は再び勢いを取り戻し、今年1、2月の販売台数は約28万台、自動車販売に占めるシェアは8.7%に達している。
売れているのは、昨年7月発売の宏光ミニEVだ。今年1、2月のEV販売第一位、シェア約20%で2位のテスラ・モデル3の倍以上売れている。佐川急便が導入を決めたEV製造を担当する企業グループに属する上汽通用五菱汽車製で、価格は2万8800元(約48万円)から3万8800元(約65万円)と格安だ。使われている電池を製造するのは中国メーカーだ。テスラも中国で製造する車には中国製電池を利用している。いま、世界の電池市場は中国と韓国メーカーがシェアを分け合い、10位以内にいる日本メーカーは、パナソニックとPEVEだけだ。