2022年12月5日(月)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2022年2月8日

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尖閣諸島を領有する日本が中国に処罰される?

 今後中国は、中国の「発展」のために必要な「グローバル社会の安定」を実現するため、中国の外交方針に沿わず、さらには台湾・香港・新疆・チベット問題など「核心利益」をめぐって中国を牽制する外国政府や外国人に対して制裁を加え、処罰しようとすることであろう。既にその方針は、香港国家安全維持法第38条の「外国と結託して香港を中国から分裂させ乱す行為は、外国人であろうと、外国での行為であろうと処罰できる」という趣旨にも現れている。

 日本に関していえば、「釣魚島は台湾の一部分」という中国の主張に照らして、日本が尖閣諸島を領有すること自体をいずれ処罰しようとすることであろう。「台湾解放による祖国の統一実現」は、「台湾の一部分」である尖閣諸島を「解放」してこそ真に実現するものだからである。安倍晋三元首相の「台湾有事は日本有事」発言は間違いではない。

 日本も含む全ての外界は、もし北京冬季五輪の華やかな表面にとらわれて事の本質に気付かず、新疆・チベット・香港などの問題を他人事として捉え続けるのであれば、いずれ知らず知らずのうちに完全に中国によって管理され、独立と自主を失ってしまうだろう。一人でも多くの読者がそのことに気づき、中国の挙動を批判的に注視するとともに、開かれた多様で自由な世界を保つために何ができるかを考えて頂ければ幸いである。

 とりわけ、中国流の管理社会こそ正しいという言説が信憑性を帯びて、さらなる中国内外の問題が深刻化するのを避けようと考えるならば、まずは日本や米国をはじめ多くの国が、自身のガヴァナンスを再建し、自由で開かれた社会こそさまざまな問題をより良く解決できることを実証して行かなければならないし、そのための歴史的な気概と創意工夫を結集させなければならないのではないか。

 
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