2022年12月3日(土)

Wedge OPINION

2022年6月30日

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 コロナ自粛の長期化は、深刻化する、高齢者の筋力減弱(サルコペニア)に拍車をかけた。「Wedge」2022年7月号では、WEDGE OPINION「高齢者の「健康・幸福長寿」実現へ カギを握るフレイル予防」を掲載しております。今回は「フレイル予防」の実践の現場をレポートします。

フレイル度を自身で測る「指輪っかテスト」を実施する参加者とサポーター (WEDGE)

 東京都西東京市は2016年、東京都内の自治体で初めて、フレイル予防プログラムの共同実施に関する協定を東京大学高齢社会総合研究機構と締結した。その最初の目的は、「高齢男性にとっての社会参加の場づくりだった」と語るのは、西東京市健康福祉部高齢者支援課の徳丸剛主査だ。

 「仕事ひと筋でこれまで地域行事に参加せず、定年退職後に会社の人脈を失い、外に出る機会が徐々に減っていく。そういう高齢男性も、地域のお茶サークルには参加しない一方、防災イベントには参加する。高齢男性を含め、多くの方が地域コミュニティーに参加するためには、ただの交流イベントではなく、明確な〝目的〟が必要だと考えた。『健康寿命を延ばす』ことは、全ての高齢者にとっての価値ある目的であり、そのための知識を得られ、自身の健康状態を知ることができる『フレイルチェック』であれば、多くの地域高齢者の社会参加を促すことができる」

 西東京市が主催するフレイルチェックは、市内8カ所の会場それぞれで、半年に1回のペースで実施される。コロナ禍前の19年度には年36回実施され、参加者は延べ477人にのぼった。イベント参加者はフレイル予防の基礎知識を学ぶとともに、食生活や運動など日常に関するアンケートへの回答、握力・手足の筋力量・片足立ちテストなど、いくつかの身体機能測定を通じて、自身のフレイル度を数値化することができる。

 フレイルチェックは、繰り返し受講することで参加者本人が変化や成長に気づき、予防意識を長期間維持することができるが、同年度の初回参加者のリピート率は73.5%と極めて高い。さらに、参加者も「フレイルサポーター」としてイベントを運営する側となれるのも、大きな特徴だ。

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