チャイナ・ウォッチャーの視点
めまぐるしい変貌を遂げる中国。日々さまざまなニュースが飛び込んできますが、そのニュースをどう捉え、どう見ておくべきかを、新進気鋭のジャーナリストや研究者がリアルタイムで提示します。政治・経済・軍事・社会問題・文化などあらゆる視点から、リレー形式で展開する中国時評です。(画像:Thinkstock)
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2023/10/25 久末亮一
北京では10周年を迎えた「一帯一路」構想についてのサミットフォーラムが開催された。「一帯一路」は強引な勢いで展開がなされたが、近年では問題や躓きにも焦点が当たっている。ただ、近年の逆風をもって失敗したと判断することも、また早計である。
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2023/10/23 高口康太
中国の不動産不況のニュースが日々報じられている。大手デベロッパーの恒大集団や業界最大手の碧桂園はじめ資金繰りに苦しむ不動産デベロッパーは多い。年内にデフォルトに陥る可能性がある企業は65社に達するという。いったい、何が起きているのか。
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2023/10/04 中島恵
中国で国慶節の大型連休がスタートした。予想に反し、多くの中国人観光客が日本にも訪れたが、その報道された日本メディアのニュースや記事を見てみると、多くが「周回遅れ」で、既視感のある報道となっており、いろいろと考えさせられた。
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中国で進む幼児への〝思想教育法〟制定(後編)
2023/09/30 平野 聡習近平政権は「共同富裕」を掲げ、社会主義的・愛国主義的な道徳心を植え付け直そうとする。ただ、当面は荒療治続きのようで、さまざまな動揺が伝えられる。そこで中共は学校教育全体にも照準を定め、一大主戦場と見立てている。
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中国で進む幼児への〝思想教育法〟制定(前編)
2023/09/29 平野 聡中国では、子供の頃から愛国主義教育を通じて、中国共産党こそ「抗日」を主導して中国を救ったと信じこまされてきた。ところが最近、「中国人・中華民族の誇り」を日常レベルでどう担保し、個人の選好とどうバランスを取るのかという問題が浮上している。
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2023/09/22 中島恵
中国人による日本の不動産の爆買いは昨年から話題になっており、円安が加速し「バーゲンセール状態だ」とも言われるほど。その傾向は現在も続いるようだ。中国からどのような人々が来日し、日本でどんな物件を買っているのか。
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2023/09/12 高口康太
放出に対する猛抗議、日本への迷惑電話、日本旅行をキャンセル、汚染への恐怖から中国産の海産物まで買い控えられるように……。福島第一原発処理水の海洋放出で中国による過激な反応が取り沙汰されているが、現地ではすでにそうした状況ではないようだ。
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2023/09/11 大西康雄
中国経済の失速が続いている中、中国政府の対応は依然として鈍いように感じられる。本稿では、景気の先行きを展望する材料として、政府の対策の現状について経済不調の要因と対応させながら分析・評価してみたい。
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2023/09/05 久末亮一
福島原発処理水の海洋放出をめぐって、中国側の異常な反応が目立つ。対日牽制のカードとして利用する意味合いがあったと推測されるが、中国にとっての悪手となった。日本の政治やメディアは、国民に無用な不安や動揺を与えることは得策ではない。
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2023/08/30 中島恵
東電福島第一原発が処理水を海洋放出したことを受け、中国政府が日本に猛抗議している。解禁になったばかりの訪日団体旅行もキャンセルが相次いでいることがわかり、4年ぶりに再開へと漕ぎつけたインバウンドにも影響がじわじわと広がり始めている。
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2023/08/29 高口康太
福島原発処理水の海洋放出に中国政府は強く反発し、日本の水産物の全面禁輸という強硬措置に出た。官製メディアは未来に禍根を残すと報じている。これに対し、不安にかられた中国人民は塩の買い占めを始めるという予想外の混乱へとつながっている。
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2023/08/25 中島恵
訪日外国人旅行客などの増加で、オーバーツーリズムが問題となっているが、中国でも発生している。若者の就職難、不動産不況など経済的に苦境に立たされている人が多いと予想される中国だが、なぜこうした現象が起き、今、観光地はどうなっているのか。
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2023/08/03 高口康太
ChatGPTに代表される生成AIのブームが続いている。もともと中国のAI人材には分厚い蓄積があり、この熱狂が加われば、すさまじい推進力が生まれることは間違いない。生成AIの分野でも中国は米国と並ぶ大国となる可能性はあるが、中国に弱点があ…
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2023/08/01 平野 聡
ロシアの「プリゴジンの乱」が発生してから1ヵ月超が過ぎ、その間、中国の秦剛外交部長が失踪し、正式に免職となった。こうした動きをどのように考えるべきか。以下、今年に入ってからのウクライナ情勢と中国外交の展開を中心に振り返ってみたい。
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2023/07/28 中島恵
外国人観光客が増加しているが、中国人が減少している。中国に住む人々に話を聞いてみると、とくに若者層を中心に、かつての「爆買い」ブームのときのような観光客増加は今後も見込めないのではないか、という悲観的な声が目立つ。その理由は何なのか。
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2023/06/21 中島恵
日本の大学進学を目指す中国の若者が増えている。日本は距離的に近く、学費が安く、安心安全で、魅力的な留学先のため。その流れで増えているのが中国人向け大学受験予備校だが、美術大学を目指す学生のための専門コースが人気を博す。なぜか。
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2023/06/16 大西康雄
中国の2023年第1四半期のGDP成長率は、前年同期比4.5%と好調を取り戻したかに見えたが、4月以降は息切れの様相を示している。この背景には、政府当局が追加の経済対策を示しておらず、国内循環重視(国際循環軽視)を変えていないことがあると…
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2023/06/15 中島恵
中国で再び新型コロナの感染者が急増する中、中国での生活に見切りをつけ、日本に移住する人がじわじわと増えている。日本に移住した彼らの中には、子どもの進学先として日本のインターナショナルスクールを選択する人が少なくない。それはなぜなのか。
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中国・中央アジアサミットの歴史的意味を考える (後編)
2023/06/07 平野 聡中国・中央アジアサミットは、中央アジアにおける地政学的な地殻変動の結果という一面もある。中央アジア諸国が当面中国の強い影響を受けてでも確保しておきたい国益もあり、互いの国益が微妙に重なったところで「密接な関係」が実現したとも言える。
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中国・中央アジアサミットの歴史的意味を考える (前編)
2023/06/06 平野 聡G 7広島サミットが世界の耳目を集める中、中国は西安で中国・中央アジアサミットを開催した。しかし、会議場に揃った中央アジア5ヵ国の首脳陣は距離をおいて座り、表情も非常に硬く、中国がこのサミットを催した本質は、この距離感に凝縮されている。
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