世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。
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2022/09/23 岡崎研究所
ブラジル大統領選挙がいよいよ目前に迫ってきた。8月末から9月初めの世論調査では、ルーラ元大統領は、依然として8~12%の差で現職のボルソナーロをリードしており、5月頃に比較すれば縮小の傾向にはあるが、依然としてルーラ有利は変わりがない。
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2022/09/22 岡崎研究所
バイデン大統領は、学生ローンの借り手に対し、1人当たり1万ドルの返済を免除すると発表した。バイデンの大統領選の公約であり、これまで種々議論のある問題である中で進められた。バイデンの中間選挙への準備は、ほぼ整ったと言える。
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2022/09/21 岡崎研究所
イランは、既に核爆弾1個を製造に必要な濃縮ウランを備蓄し、半年以内にさらに2個分の備蓄が可能とされている。土俵際に来ていると言える。核合意再開交渉で合意すべきであり、米国が政権交代しても廃棄させないための野心的な内容にする必要がある。
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2022/09/20 岡崎研究所
ロシアのウクライナ侵攻でEU内の力学は変わりつつある。ソ連の占領下にあった加盟国やウクライナとロシアに地理的に近い国は真剣に受け取っているのに対し、独仏は守勢に回る。イタリアの選挙で極右が勝てば、力学は更なる変化を見ることとなろう。
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2022/09/19 岡崎研究所
中国が香港統一やウクライナ戦争から学んだ教訓は、実力で台湾を支配する場合は一挙に大型の短期決戦をせねばならないと考えているのではないだろうか。台湾に軍事的圧迫を始める場合、封鎖が最初の戦略になる可能性が高くなっているだろう。
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2022/09/16 岡崎研究所
昨年10月の総選挙以来、イラクで政治的混乱が続いている。権力闘争を繰り広げる親イラン派とサドル派はどちらも脛に傷があり、双方とも無理をして現在の勢力を構築しており、安易な妥協は出来ない。率直に言って、この対立・緊張の落とし所は見えない。
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2022/09/15 岡崎研究所
ミャンマーの情勢はウクライナ情勢や台湾問題など諸々の危機の中でほぼ忘れられている。NUGはいまだミャンマーの軍事政権に抵抗して奮闘しており、米国がNUGを正統な政府として承認し、凍結したミャンマーの資産を使わせることも必要かもしれない。
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2022/09/14 岡崎研究所
中印国境での衝突以降、インドは台湾への大きな関心を示す。しかし、インドは、中国との関係で、台湾問題に慎重に対応してきた。貿易・投資誘致には熱心だが、台湾が必要とする政治的支持を与えるつもりはなさそうだ。
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2022/09/13 岡崎研究所
イランとロシアの軍事協力が、無人機をイランがロシアに提供するなど進んでいる。同盟関係ができつつあるのではないかと懸念する向きもあるが、両国は伝統的に相互不信が強い。信頼関係に裏打ちされた同盟関係になることは考え難いように思われる。
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2022/09/12 岡崎研究所
習近平は権力の正当性を経済成長からナショナリズムに移さざるを得ない。その際、台湾に勝る事柄はない。米国は対中抑止力強化のほか対中貿易依存の縮小等の対応を取って行くことが必要である。
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2022/09/09 岡崎研究所
イタリアの総選挙では、極右政党「イタリアの同胞」が第一党となり、同党のメローニ党首が新首相に選出されると見込まれている。メローニはEU、大西洋同盟、ウクライナへの支持を誓っているが、右派三党連立政権は欧州の懸念を招かざるを得ない。
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2022/09/08 岡崎研究所
中韓外相会談は、厳しい内容だったようだ。中国は米国によるTHAAD韓国配備について執拗に韓国側を圧迫したとみられる。一方、尹錫悦新政権は正式配備を先送りしてきた文在寅前政権の政策を転換、THAADの「本格」展開・運用をするとの政策を表明し…
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2022/09/07 岡崎研究所
中国の国防省は、人民解放軍がロシアのVostok(東)軍事演習に参加すると述べた。中国は、ウクライナで戦争しているロシア軍に支持を与えている。欧州の指導者は中国のVostok冒険主義に怒るべきであり、中国との深い協力を拒否すべきである。
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2022/09/06 岡崎研究所
米国と中国はそれぞれインドネシアとタイで軍事演習を行った。米国は歴史的に東南アジアで盟関係と軍事的プレゼンスを有しているが、中国の経済的影響力は急速に強まっている。今後、軍事訓練により支持を得ようとする可能性が高い。
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2022/09/05 岡崎研究所
ウクライナ戦争に対しては、米国の参戦やロシアの核使用のエスカレーションの可能性があると警告されている。破滅的なエスカレーションのリスクは過小評価されているが、注意する必要は一定程度ある。
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2022/09/02 岡崎研究所
コロンビア初の左派系大統領であるペトロは、就任翌日、富裕層や石油・石炭輸出への課税を中心とする税制改革法案を提出した。懸念された対米関係も、良好な関係を保つことに双方の利益が合致しているように見える。
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2022/09/01 岡崎研究所
米当局は、アフガニスタンの首都カブールで、アル・カイダの最高指導者ザワヒリをドローンにより殺害した。これついて、再び指導者を失ったアル・カイダがどう出てくるのか、アフガニスタン情勢にどのような影響を及ぼすのかの2点で分析できる。
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2022/08/31 岡崎研究所
2008年の金融危機で資金繰りに窮した米州開発銀行(IDB) に2009年加入した中国は、ラテンアメリカへの経済進出にIDBを利用している。米国やIDBは、中国への依存を減らすために何らかの対応をするべきである。
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2022/08/30 岡崎研究所
ウクライナでのロシアの失敗しつつある戦争は、ベラルーシに民主化の機会を提供しうる。ベラルーシ社会は長期の抵抗のやり方を学び、海外に基盤を置く自由なメディアを作った。そして今、ウクライナで反プーチンの闘争に参加している。
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2022/08/29 岡崎研究所
ペロシ下院議長の訪問後の台湾に対する過剰反応と報復措置は、平和統一ではなく、武力によって台湾をとることに北京が焦点を合わせていることを示している。習近平の戦略は台湾の人心を掌握することから、台湾に恐怖と憎悪を起こさせることに変わった。
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