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2023/03/01 葛西龍樹
家庭医は、性別や年齢に関係なくいろいろな健康問題について相談を受ける。それは、どんな問題でも「それは私の専門外です」とは言わないということを意味している。今回は、更年期に関して家庭医のケアについて書いてみたい。
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2023/01/24 葛西龍樹
アルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」を米国食品医薬品局が迅速承認し、日本でも厚生労働省所管の医薬品医療機器総合機構に承認申請がされ、社会的に注目されている。この新薬の効果と安全性、治療への期待や懸念はどのようなものなのか。
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2022/12/24 葛西龍樹
心血管疾患を予防することは、家庭医にとって重要な仕事の一つだ。そこで血液をサラサラにする薬「アスピリン」有益なのだが、リスクを引き起こす部分もある両刃の剣だという「アスピリンのジレンマ」が伴う。
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2022/11/23 葛西龍樹
家庭医の診療能力とは何か、それをどのように教育し、その能力が獲得できていることをどのように評価するのかについて語ってみたい。
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2022/10/21 葛西龍樹
妊娠中の生活についてのアドバイスは、妊娠がわかってからよりも、妊活を始めようと思った時から聞いてもらう方がずっと役に立つ。妊娠してから知るのでは間に合わないこともある。
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2022/09/23 葛西龍樹
世界家庭医機構の総会が英国ロンドンで3年ぶりの対面で開催された。数多くの研究発表、教育講演、シンポジウム、ワークショップがあって盛りだくさんの学術総会の中から、特に印象深かったものについて話したい。
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2022/08/25 葛西龍樹
映像を医学教育に使うことを「シネメデュケーション」と呼ぶ。家庭医には客観的なものと主観的なもの両方をバランス良く学ぶ必要があり、家庭医が扱いに悩みが多い肥満ケアに大きく役立つ。
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2022/07/23 葛西龍樹
彼が診察室に入って来た時から気になっていたことを切り出そうかどうか逡巡した。かなり太っているのだ!肥満を扱う家庭医には悩みも多い。
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2022/06/22 葛西龍樹
家庭医は、夜間・休日でも担当する患者やその家族から病気や健康問題について電話で相談をされることがある。重症のこともあるし、重症ではないが心配や不安が大きくなっていることもある。5歳男児の祖母からかかってきた電話もそんな相談の一つだった。
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2022/05/27 葛西龍樹
コロナ禍で地域医療の〝受け皿〟となる体制不足が露呈した。「プライマリ・ヘルス・ケア」を担う人材を早期に育成する仕組み構築が急務だ。
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2022/05/25 葛西龍樹
慢性腎臓病は、家庭医が診療だけでなく、日常の生活でのセルフケアがとても大事である。だが、日本では、インターネットを使って一般の人にとってわかりやすく質の高い医療情報を探すことに大変苦労する。
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2022/04/25 葛西龍樹
今回登場するのは患者ではなく医学生である。地域に住む人たちへのケアとともに、医学医療を学ぶ若者にプライマリ・ヘルス・ケアと家庭医療学に興味を持ってもらい、その教育をすることも家庭医の重要な仕事なのだ。
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2022/03/25 葛西龍樹
ロシアによるウクライナ侵略の現場で、患者の心身や生活すべてを診る家庭医がどのように活動しているのか。現地からの現状報告や支援要請への反応から見ていきたい。
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2022/02/23 葛西龍樹
たばこによる健康被害は、がんや心血管系疾患の誘発など深刻だ。ただ、禁煙を進めようにも、最新データがなくケアを検討できなかったり、個人の生活環境も考慮する必要であったりと障害は多い。
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2022/01/26 葛西龍樹
「最近、母がよく転ぶんです」。はっとして、目の前の患者を見る。高齢者のケアをする際に私たち家庭医が重視する一連の症状がある。症状を放置すると、その高齢者の日常生活全般を維持する機能が低下してさらに大きな問題となっていく危険があるからだ。
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2021/12/25 葛西龍樹
脳性麻痺などの小児期に起こる慢性疾患の診療上の大きな課題の一つに、患者が何歳になるまで小児科医が診療に関わるか、というものがある。適切なケアを小児科医から引き継いで成人期の患者を診る医師が見つからないことも多い。
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考慮すべき「不確実性下」のケア
2021/12/02 葛西龍樹「先生、新型コロナウイルスのワクチン接種の3回目、した方が良いでしょうか」「追加接種ですね。悩みます」「先生も悩むんですね」「そうなんです。海外の一流医学雑誌にも、免疫を完全に獲得する方法はまだわからない、と書かれているんですよ」
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2021/10/23 葛西龍樹
M.K.さんは、2カ月前に私の診療所に初めて受診した。「眠れないので睡眠薬がほしい」というのが受診理由だった。自身はこうなった理由をどう考えているのか、そして家庭医に何をして欲しいのかを、簡単な挨拶の後で私は確認していった。
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2021/09/25 葛西龍樹
T.K.さんは、近所のコンビニエンスストアの店長で、挨拶を交わす仲であるが、今日が初めての受診だ。2カ月前に受けた健康診断(健診)の結果を持参し、「いろいろ異常があるようなので総合的に診てもらおうと思って」と、ちょっとバツが悪そうに言う。
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2021/08/27 葛西龍樹
K.W.さんと10年の付き合いである。高血圧のため、3カ月ごとに診察している。直面しているのは、前回の診察でK.W.さんが持ち出した「会社の部下たちが、『社長も前立腺がんの検診を受けたらどうですか?』って言うんですけど」への対応だ。
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